ある日突然、「愛する家族が余命宣告をされたら」、「一家の大黒柱であるお父さんが、あと半年の命と言われたら」考えたくは無い事ですが、こればかりは、いくら普段から健康に気遣った生活をしていても、定期的な健康診断を受けていても、いつなんどき起こるかわからないでき事です。
いざという時に慌てずに対応するためにも、また、宣告を受けた本人を落胆させずに、少しでも長く生きて、回復という奇跡をおこすためにも、余命宣告のことを知り、どう対応したらよいか、何を準備しておけばよいかを、今から考えておきましょう。
余命宣告について
余命宣告とは、患者などの対象者が、あとどのくらい生きられるかを医師が告げることを言います。
医師が、あと1年と宣告したとしても、1年以上生きる場合もあれば、残念ながら半年で亡くなる場合もあります。
これは、医師の宣告が「生存期間中央値」を参考に行っているので、誤差が生じるのです。
生存期間中央値とは、その病気を患った人のうち、50%が亡くなるまでの期間を表したものです。
あくまでも今までのデータや患者の状態から推測した結果なので、必ずしも絶対値ではありませんが、患者の家族にとっては、目安となる値です。
余命宣告は、最近ではインフォームド・コンセントが普及して、直接患者に宣告されるケースも増えていますが、患者本人が希望していない限り、最初は家族に告知されるのが一般的です。
告げられた家族にとっても非常にショッキングなできごとですが、真実を本人に伝えるか否かは、病気の状況や本人の性格などを総合的に考えて判断しなくてはなりません。
癌などを患い、治療をしても改善されない場合などは、家族がいくら隠していても患者本人が自覚することもあり、告知すべきか判断するのは、とても辛いことです。
告知するタイミングも含めて、医師と充分相談しながら、本人の心の痛みを少しでも軽減できる方法をとりたいものです。
家族が余命宣告を受けたら
では、もし家族が余命宣告をされた直後には、どのようなことを心がけておけば良いのでしょうか。
今後の治療方針について納得のいく選択を検討する
家族が余命宣告をされたら、その時はショックで何も考えられないと思いますが、いつまでもそのまま悩んでもいられません。
まずは、現在の病気の状況をきちんと把握して、今治療中であれば今後の治療方針を。
また、これから治療を始める場合は、どのような治療方法で、どのように、どんなスケジュールで進めるのかを、医師と相談しながら早急に決めることが大切です。
- 現在の治療法を継続するのか
- 新しい治療法を検討するか
- どういうスケジュールで治療するか
- 治療が精神的な苦痛を伴うのであれば、治療をやめる選択も
- 患者のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を上げるためにどのような方法があるか
- 末期の癌などすでに緩和ケアが必要な場合は、できるだけ安らかに余生を過ごす
- 場合によっては、セカンドオピニオンも考える
など
余命宣告されたときの心構え
そもそも余命宣告は、「この日に必ず亡くなります」という寿命宣告をされたわけではなく、今までのデータに基づいた目安値でしかありません。
現在の医学は日進月歩で進歩しており、新薬や画期的な治療法などが続々と開発されています。
また、有名人の奇跡の復帰などテレビなどでも取り上げられることも多く、効果的な食材や食事療法など、インターネットでたくさんの情報を集めることも可能です。
深刻な状況ではあるものの、患者である本人を勇気づけながら、少しでも長く生きてもらえるように、家族がサポートしてくことが重要です。
余命宣告をされたなら、むしろしっかりと、あらゆる治療法や効果的な方法を見直して、本人や医師と相談しながら改善に努めるようにします。
余命宣告後にどのような準備が必要か
病気の治療以外にも、余命宣告をされた場合には、下記のようなことを準備しておくと、いざという時に慌てずに済みます。
治療をサポートする家族の体力的・精神的な負担はかなり大きなものですが、万が一のことも考えて整理・準備しておくことが大切です。
加入している保険を確認しておく
まず、患者本人が加入している保険の内容を確認します。
三大生活習慣病(がん、心臓病、脳血管疾患)など特定の病気になった時の特約を付けていないか、手術代や入院費用を、どの程度保険でまかなえるかなどをチェックします。
また、医療保険によっては、入院してから一定期間を経てからではないと適用にならないものもあるため、確認をしておきます。
医療保険や生命保険は、入ったまま見直しをしないことも多く、どのような保険に入っていたか、あらためてきちんと確認をするようにしましょう。
相続の準備をする
あまり考えたくない事ですが、万が一に備えて、相続や葬儀の事は、事前に準備しておく必要があります。
特に相続のことは、死後に家族間でトラブルが起きやすく、患者本人が自分の財産やその配分等を決めているのであれば問題ないですが、本人に余命宣告を受けたことを隠している場合は、家族が代わって調査し、準備する必要があります。
財産を調べる
預金や不動産、金融などの資産である財産だけではなく、借金やローンなどの負債も把握しておく必要があります。
さらに、家族など相続人となる人を確認しておきます。
そして、相続税や財産分配の基礎資料に利用するために、「財産目録」を作ります。
最近では、エンディングノートなどで代用する場合もありますが、本人ではなく家族が財産一覧を作る場合は、目録にしておくと、相続税の申告等で役立ちます。
こうした調査や記録の作成を家族で行うのが難しい場合は、行政書士などの専門家に頼むのも良いでしょう。
遺言書の作成
遺言は、必ず自分で記す「自筆証書遺言」といわれるものでなくてはならず、代筆やパソコン等で作成したものは無効です。
また、患者本人が余命宣告を知らない場合は、無理やり書かせることはできないため、本人がいざという時のために自ら書く方向に促す、その気にさせるくらいが精いっぱいでしょう。
さらに、遺言書は破棄をされたり、隠されたりする恐れもあるため、公正証書遺言を作成しておくと、こうした心配も無くなり、本人の死後も遺言通りに手続きがスムーズに進みます。
葬儀の準備をする
万が一の時に備えて、葬儀の準備をしておくことも大切です。
いざその時が来ると、やはり気が動転してしまい、本人や家族が望むような送り方をできないことがあるため、事前になるべく葬儀社や葬儀の場所・規模・形式・内容・予算などを考えておくようにしましょう。
本人がエンディングノートなどを用意している場合は、その希望に沿った内容で準備しましょう。
さいごに
家族が余命宣告をされたら、現実を受け止めたくなく、冷静になれずにパニックに陥ることもあると思います。
ただ、余命宣告は寿命宣告では無いため、希望を失う必要はなく、また、仮に回復の見込みが無い場合でも、患者本人が望む余生を過ごせるよう、家族みんなでサポートすることが必要です。
もしもの時に、気持ちに余裕をもって、納得のいく送り方をするためにも、余命宣告をされた段階で、色々な準備を始めるように心がけましょう。
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