葬儀保険で将来の葬儀に備えよう!

葬儀保険
超高齢化・核家族化が進み、一人暮らしの高齢者が増えていることに加え、人間関係の希薄化により、自分を看取ってくれるような人が周りにおらず、自分の最期を不安視する人が非常に増えています。

また、遺った遺族に迷惑をかけないように、生きている元気なうちから「終活」を始め、死後の後始末まで生前に行う人も急増しています。

例えば、自分の死後の葬儀費用は、全国平均で195.7万円(平成29年 一般財団法人日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」より)と言われており、遺族にとっては、大きな負担となります。

そこで、少しでも遺族の経済的な負担を軽減するために、最近では「葬儀保険」を利用する人が増えています。
本記事では、葬儀保険の種類やメリットについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

葬儀保険とは

葬儀保険とは、「少額短期保険」の1種で、葬儀費用の負担軽減を目的とした保険です。

そもそも少額短期保険とは、2006年に保険契約者等の保護施策として施行されたもので、掛け金が少額で、保険期間が短期の保険のことを言い、「ミニ保険」などとも呼ばれます。

保険内容も非常にシンプルとなっており、葬儀保険の多くが、掛け金が1,000円程度、保証金額が最大300万円、保証期間が1年となっています。
仮に1年の保証であっても、月1,000円程度の掛け金で、もしもの時に最大300万円の保険金がおりるのであれば、ぜひ、検討したい保険です。


  • 掛け金は数百円から
  • 保険期間は1年または2年(損害保険の場合は2年)
  • 死亡保険金額は被保険者1人あたり300万円以下
  • 全ての保険の保険金額は最大でも、被保険者1人につき1,000万円まで

葬儀保険の種類

葬儀保険には、年齢によって月々の保険料が変わる「保険金定額タイプと」、月々の保険料は変わらないが、年齢によって受け取る保険金が変わる「保険料一定タイプ」の2つがあります。

保険金定額タイプ

保険金定額タイプは、年齢によって、また、受け取る保険金の金額によって月々の支払金額が変わるプランのことで、契約期間に関わらず、万一の時の死亡保証金は変わらない商品です。

例えば、月々750円の支払いで50万円の保険金を保証するプランや、月々1,500円支払えば100万円を保証するプランなど、保険会社によって、多種多様な商品を販売しています。

万が一の時に、決まった保証金額を残したい人にお勧めのタイプです。

保険料一定タイプ

保険料一定タイプは、月々の支払額は一定ですが、年齢によって保障される保険金額が変わるプランです。例えば、同じく月に1,000円払っているとした場合、契約時が65歳の場合は保険金保証額が50万円なのに対し、契約時80歳の場合は保険金が20万円になるというものです。
毎月一定額の支払いを、ずっと続けたいという人に向いているプランです。

葬儀保険の特徴・メリット

これまで紹介してきたように、少ない掛け金で済む葬儀保険は非常に魅力的ですが、ほかにどのようなメリットがあるのでしょうか。

医師の診察が不要

一般的に保険に加入する場合は、医師による診断書の提出が必要となりますが、葬儀保険の場合は、多くが医師の診断書が不要です。

最近では、今の健康状態や過去の病歴などを自己申告する「告知義務」も不要なところが増え、仮に持病があっても、現在健康であれば問題なく加入することができます。

高齢者でも加入できる

通常の保険では、高齢になると加入できないところがほとんどですが、多くの葬儀保険が、申込は85歳くらいまででき、その保証も99歳や100歳まで約束されている商品が多く出回っています。

年齢が高くなって、契約を更新するたびに保険料は上がりますが、それでも通常の保険よりは安く、しかも高齢になってからでも自由に加入・更新できるのは、大きなメリットです。

高齢化が加速する日本社会には、最適な商品になります。

毎月の保険料が安い

「少額短期保険」のひとつであることから、月々の支払いが数百円からという商品が多いのも魅力です。

扱う会社や商品によっても異なりますが、おおむね50~69歳で月1,000円前後~という商品が多く、かなりリーズナブルな料金設定となっています。
会社によって、プランを複数用意しているのが一般的で、また、個々人のニーズに合ったオーダーメイドをしてくれるところもあります。

掛け金が上がれば、その分保証される金額も大きくなりますので、自分の経済状況や、いざという時に必要な金額、将来的な見通しなどを考えて選ぶようにしましょう。

契約者が亡くなるとすぐに支払いしてもらえる

通常の保険の場合、保険者が亡くなった等の場合は、受取人が保険金請求に必要な書類を保険会社に送り、審査を経てから入金となるため、書類到着後5営業日~1週間ほどかかると言われています。

また、故人の預金口座などは、一時凍結されることなどもあり、すぐにお金が必要な時に使えないなどのトラブルも良く耳にします。

一方で、葬儀保険は、葬儀費用を補填するという明確な理由の商品であるため、原則書類到着後の翌日には支払われることになっています。書類の不備や到着状況によっては支払が遅れる場合がありますが、葬儀保険の大きなメリットは、このクイック出金にあると言えます。

そのほかにも、葬儀保険は受取人を指定することができ、遺書などを残していなくても、事前に受取人を指定しておけば、死後のトラブルを避けることができそうです。

また、受取人を指定しておくことで、受取人の口座に振り込まれるので、亡くなった本人の口座が凍結されても慌てることはありません。

葬儀保険を利用する際の注意点

高齢になっても加入できる、月々の掛け金が定額で済むなど、とてもメリットが多い葬儀保険ですが、実際に契約するとした場合、どのような点に注意すると良いのでしょうか。

他の保険と同様に責任開始期がある

葬儀保険には、一般の生命保険等と同様に、「保険の責任開始期」というものが設けられています。

保険の責任開始期というのは、保険会社と契約したその日からその保険の保証がされるわけではなく、ある一定期間を経てから契約が成立、葬儀保険が適用されるというものです。

葬儀保険を扱う会社の多くが、その責任開始期を、契約日の翌々月1日からとしており、そのため空白の期間があることに注意をしなければなりません。
契約したら安心ではなく、万が一この空白期間に保険が必要な事態が起きたとしても、保険金はおりません。

契約する時に、この責任開始期をしっかりと確認するようにしましょう。

保険契約者保護機構の保証の対象にならない

通常の生命保険などの場合、保険会社が破綻した場合は、「保険契約者保護機構」により一定の契約者保護が図られることが、保険業法で決められています。

しかし、葬儀保険はその扱い金額が少額であることから、大手の生命保険会社が扱うことは無く、「保険契約者保護機構」の対象とならないため、仮に契約した保険会社が破綻した場合は、その保証を受けるとこができません。

このことからも、葬儀保険を契約する会社を選ぶ時は、その会社の財務状況や評判、信頼性などをしっかりと確認する必要があります。ホームページ等では、良い点ばかりを強調されている可能性が高いため、心配であれば電話で雰囲気を確認するほか、専門家に相談する、口コミを調べるなど、慎重に選ぶようにしましょう。

課税対象になる

生命保険などの保険金には、相続税に対する非課税枠が、500万円×法定相続人の人数という範囲で設けられていますが、葬儀保険は受け取った保険金に、所得税や相続税、贈与税などの税金がかかります。
いわゆる課税対象となりますが、その額は、受取人が保険料を負担していた場合など、状況によって様々です。

こうした点も、契約時に確認しておくようにしましょう。

告知義務

葬儀保険では、医師の診断書が必要ないところがほとんどですが、現在の健康状態や通院状況などを自己申告する告知をしなくてはならない場合もあります。

書類に書かれている質問に、はい・いいえで答える簡易的なものですが、うそを申告して告知義務違反となると、保険金の支払いを拒否されることもあります。

さいごに

高齢になっても月々少額で加入できる葬儀保険は、遺族の経済的な負担を無くすためには、魅力的な選択肢のひとつと言えます。

一方で、加入している会社が破綻した場合、その保証がされないなど、会社を選択する時には注意が必要です。
仮に葬儀保険を契約するとした場合でも、様々なプランがあるため、契約時の年齢や、必要な金額、いつ頃必要になりそうか、また、その時までにいくら支払うのかなど、しっかりと考えておく必要があります。

まだまだ先の事とせずに、若ければ掛け金も少なくて済むことから、早めに考えておきたいものです。

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