葬儀の前に知っておきたい宗教宗派について

宗教・宗派
お葬式のスタイルも多様化しているとは言うものの、それでも90%以上の人が仏式で葬儀を行っています。

仏式の葬儀では、寺院の読経、参列者の焼香、という形式がほとんどなので、その寺院がどの宗派なのか、また宗派によって何が違うのかなどを知らないという方がほとんどではないでしょうか。

参列する先の家の宗派までとは言いませんが、自分の家がどのような宗派に属し、どのような教えであるかは知っておくべきでしょう。

ここでは、さまざまな宗教宗派について触れてみたいと思います。

天台宗

天台宗とは、伝教大師 最澄が806年に開いた宗派です。
本山は滋賀県の比叡山延暦寺になります。

もともとは中国で始まった天台宗では、護摩行、念仏、座禅、なんでもします。
細分化される前の仏教が全て含まれていると言ってもいいかもしれません。

寺院や檀家の数こそ少ないものの、日本仏教界における発展を考えると、その影響力は計り知れません。

のちの鎌倉仏教を牽引した高僧たち(浄土宗の法然、浄土真宗の親鸞、臨済宗の栄西、曹洞宗の道元、日蓮宗の日蓮)は、みな比叡山で修業をしてから自らの宗派を確立していったのです。

現在でも比叡山は多くの信仰者や観光客でにぎわっています。

天台宗の葬儀時の特徴・作法

天台宗では本尊に釈迦如来を迎えますが、阿弥陀如来や薬師如来の時もあり、明確な定めはないようです。
焼香回数も1回、丁寧なら3回、どちらでも構いません。

特に決まりを設けていないのは、先ほども触れたように、天台宗が総合仏教を体現していて、さまざまな方向から仏性を感じられるようにしているからなのでしょう。

真言宗

真言宗とは弘法大師 空海が816年に開いた宗派です。
総本山は和歌山県の高野山金剛峰寺とされています。
ですが、真言宗には主要な宗派が16派あり、その数だけ本山があります。

真言宗は、天台宗と並んで平安二教と呼ばれる宗派で、現代にまで続く日本仏教の礎を築いた双璧です。

天台宗と異なり、真言宗は密教と呼ばれ、秘法や呪法を用いて自力で仏の境地にいたる即身成仏ことを目指しています。

師匠から弟子へ直接伝授する師資相承を重要視したために、文字による教義の体系化や学問的な発展は見られませんでした。
後発の仏教者たちがみな天台宗の本山である延暦寺修行をしてから頭角を現したのはそのためだと言われています。
真言宗は、難しすぎるのです。

とはいえ、現在でも真言宗の檀家は多く存在します。
檀家でなくとも開祖の空海を信仰している人も数多くおり、本山の高野山や四国八十八箇所巡礼など、いまだに参拝者はあとを絶ちません。

真言宗の葬儀時の特徴・作法

真言宗の本尊は大日如来になります。
焼香回数は3回で、南無大師遍照金剛という言葉を唱えます。

浄土宗

浄土宗とは、法然が1175年に開いた宗派です。
本山は京都市の知恩院になります。

平安時代も末期になると世相が悪化してきます。
天台宗や真言宗をはじめとする従来の仏教が鎮護国家としての仏教(国や貴族のための仏教)であったのに対し、一般民衆にも分かりやすい教えが求められていました。
浄土とは、仏教の概念としての平和で清らかな場所の事を指します。

この世界に苦しむ人々に浄土の概念を説き、そこへ行くためには称名念仏、つまり南無阿弥陀仏という仏の名号を口にするだけで、阿弥陀如来のおられる極楽浄土へ行けるのだと説いたのです。

難しい教学や困難な修行の必要はなく、ただ、南無阿弥陀仏を口にすればよい。
この分かりやすい浄土信仰は瞬く間に民衆の中で広まっていったのです。

浄土宗の葬儀の特徴・作法

浄土宗の本尊は阿弥陀如来です。
阿弥陀如来を本尊とする宗派はそれ以外に浄土真宗などがありますが、浄土宗の場合は、後背が船形であるのが特徴です。

焼香回数は1〜3回とされており、南無阿弥陀仏を唱えます。

浄土真宗

浄土真宗は、親鸞が1224年に開いた宗派です。
浄土真宗は、真宗十派と呼ばれる主要な宗派と諸宗派に分かれますが、代表的な宗派は本願寺派と、真宗大谷派で、現在においても多くの門徒がいます。

本山にちなんで本願寺派は「お西」(=本山が、西本願寺)、大谷派は「お東」(=本山が東本願寺)と呼ばれています。
法然の弟子であった親鸞は、師匠の教えをさらに純化させて布教します。

法然は阿弥陀仏の他力本願を説き、ただ一心に南無阿弥陀仏を説くこと(称名念仏)を勧めました。
親鸞は、それをさらに押し進め、ただ阿弥陀仏を信心することの重要性を説き、念仏が目的となってはならないとしています。

浄土真宗の葬儀時の特徴・作法

本尊は阿弥陀如来です。
焼香回数は本願寺派が1回、大谷派が2回とされています。
南無阿弥陀仏を唱えます。

他の宗派にはない、浄土真宗独特な作法として、以下のようなものがあります。


  • お線香は立てずに、折って寝かす。
  • 戒名ではなく法名と呼び、位牌を用いない。
  • 守り刀や死に装束をなどは不要

臨済宗

臨済宗は、栄西が開いた禅宗の一派です。
中国から続く臨済禅は、教義体系よりも、師匠から弟子への直接的な指導を重視しているために流派が大変多く、現在日本の臨済宗は14の宗派にも及び、その数だけ本山があります。

臨済宗は室町時代に幕府の保護下に置かれていました。
したがって、当時開花した、茶道、華道、香道などの芸道や、山水画や庭園造立などの美術とは、現代でも親和性が高い傾向があります。

臨済宗の葬儀時の特徴・作法

本尊は釈迦如来になります。
焼香回数は1回で、唱える言葉は南無釈迦牟尼仏です。

曹洞宗

曹洞宗は道元が鎌倉時代に開いた禅宗の一派です。
本山は福井県の永平寺と、横浜市の總持寺にあります。

曹洞宗を代表する言葉にかん(ただひたすら坐禅を行うこと)と、ぜんかいいちにょ(坐禅と日常生活はひとつである)があります。
曹洞宗の寺院での僧侶の生活は、まさに坐禅と作務(寺院における日常生活)の繰り返しです。

同じ禅宗でも臨済宗が幕府に近かったのに対し、曹洞宗は地方の民衆の中にとけ込んでは布教をしていき、現在でも全国に約15,000近くの寺院があり、これはどの宗派よりも多い数です。

曹洞宗の葬儀時の特徴・作法

本尊は釈迦如来になります。
焼香回数は2回で、唱える言葉は南無釈迦牟尼仏です。

日蓮宗

日蓮宗は、日蓮が1253年に開いた宗派です。
本山は山梨県の久遠寺です。

カリスマ的な人気を誇る日蓮ですが、法華経信仰の主張と他宗派の批判が、これまでの宗派や浄土や禅などの他宗派の反感を買うという面もありました。

迫害ばかりにある日蓮でしたが、それでも懸命な布教活動を続け、やがて幕府や民衆からも信頼や信仰を集めるようになります。
現代に置いても、日蓮宗系の宗派や教団は多数存在し、信仰を集めています。

日蓮宗の葬儀時の特徴・作法

本尊は法華曼荼羅になります。
焼香回数は3回で、唱える言葉は南無妙法蓮華経です。

神道

日本人は、死者をカミにする民族です。
森羅万象、あらゆる事象に神や魂が宿ると考え感じる私たちの先祖は、死者は山に帰って、私たちを見守り続けるのだと考えたのです。
とはいえ、仏教伝来以後、日本の死者供養は仏教が担ってきました。

神葬祭という語も明治維新、反仏教的な運動の中で生まれたもので、現在でも神式で葬儀をされる方は一定数ありますが、全体の1%程度です。
神葬祭は、死者がわが家の守護神になってもらうための儀式です。

神道の葬儀の特徴・作法

仏式葬儀とは、祭壇も、導師(仏教では僧侶、神道では宮司)も、異なります。
参列者として一番異なるのは、たまぐしほうてんでしょう。
玉串を神様に向かって奉納するのですが、これが仏式における焼香に当たります。
宮司からいただく榊の根を祭壇の方に向けて奉納します。

また、神社と同様に二礼二拍手一礼をしますが、葬儀なので、拍手は音を立てないようにしましょう。

キリスト教

キリスト教はイエス・キリストを信じる宗教です。
カトリックは、キリスト教の最大教派です。
ローマ法王を中心として世界に12億人の信者を持つと言われおり、伝統的な教義に大変厳格な宗派です。

カトリックの葬儀はキリストの死と復活の神秘に預かり、死を永遠の命の始まりと捉える儀式だと言えます。
また、カトリックに次いで大きな勢力であるのがプロテスタントですが、プロテスタントという名称は、カトリックから分派した宗派の総称です。
決してプロテスタントという宗派があるわけではありません。
カトリックよりは柔軟であるという特徴があります。

カトリックの葬儀時の特徴・作法

カトリックの葬儀は洗礼を受けた信者でなければ受け付けてもらえず、原則的に斎場などではなく教会で執り行われます。
聖書朗読、祈祷、献花などが主な儀式の内容です。

プロテスタントの葬儀時の特徴・作法

プロテスタントの教会による葬儀も、内容はカトリックとほぼ変わりません。
葬儀の場所は教会にはこだわらず、斎場で執り行う事もあります。

無宗教

無宗教というのは、上記のような既存宗教の儀式に乗っ取らないという葬儀スタイルで、宗教者を呼ばない葬儀です。

導師を務める宗教者がいないために、葬儀社の進行力に大きく左右されるスタイルと言えるでしょう。

まとめ

参列先の家の宗派までは分からなくとも、自分の家がどの宗派に属していて、どのような教えを説いているのかだけでも知っておくだけでもよいでしょう。

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