直葬だと味気ないし、通常の葬儀をやると費用がかさんでしまう。
そこで葬儀を少しでも安くしたいとお考えの人には、「市民葬」や「区民葬」という制度があります。
- 名前は聞いたことがあるけど、どんな制度なの?
- 普通の葬儀と何が違うの?
- 手続きとかが面倒じゃないの?
- 本当に安くできるの?
こうした疑問をお持ちの人もたくさんいるのではないでしょうか。
この記事では、「市民葬」や「区民葬」について紹介します。
市民葬・区民葬について
市民葬や区民葬とは、その地域の住民が少しでも安く葬儀を執り行うことができるために設けられた制度です。
例えば、東京23区では区民葬と呼ばれています。
この記事では「市民葬」として記載していますが、区民葬も含まれているものとしてお考え下さい。
市民葬を利用できるのはその地域住民
市民葬の制度を利用できるのは、次のいずれかに該当する場合のみです。
- 亡くなった人の死亡時の住所がその市区だった場合
- 喪主が、その市区に住んでいる場合
市民葬は通常の葬儀より割安
市民葬では、決められた品目が市民葬価格で利用できることができます。
通常、葬儀の価格設定はそれぞれの葬儀社で決めますが、市民葬の場合は、あらかじめ品目と価格が決められています。
葬儀後に高額に請求されることもありません。
ただし、多くのオプションを追加すると一般葬と同等の金額になってしまいますので、注意が必要です。
葬儀の場所や内容は自由に決めてもよい
市民葬は、あくまでも葬儀を安く執り行うための制度です。
どの斎場で葬儀を執り行うか、どの宗派で葬儀を執り行うかなどは自由に選択することができます。
葬儀社は指定業者の中から選択する
市民葬は、自治体と提携している葬儀社のみ施行することができます。
自治体が求める基準を満たした葬儀社を指定しているため、一定の信頼がある葬儀社です。
ただし、こちらが望む葬儀社が指定業者でなければ、区民葬は受けられないので注意しましょう。
市から補助金が出るわけではなく、業者が利益を削っている
市民葬では比較的安く葬儀ができます。
自治体から補助金が出ているのかというとそうではありません。
あくまでも葬儀社や、火葬場や、霊柩自動車の業者などが利益を削って成り立っているのです。
市民葬・区民葬のメリットとデメリット
市民葬のメリットとデメリットを具体的に見て行きましょう。
市民葬のメリット
- 比較的安く葬儀ができる
- 自治体指定の葬儀社だから一定の安心感がある
前述した通り、自治体が設定した価格であるために、比較的葬儀を安く執り行うことがメリットの一つです。
数ある葬儀社の中から一社だけを選ばなければならないのは、なかなか困難です。
市民葬を執り行うことができるということは、それだけその地域での実績があり、信頼があるためです。
葬儀社を選ぶ際の1つの基準にもなります。
市民葬のデメリット
- 指定業者以外の葬儀社の利用ができない
- 祭壇や棺など、指定された品目は自由に選ぶことができない
- 既成仏教以外での葬儀を希望の場合はむずかしい
- 生花祭壇を飾ることができない
- 格安葬儀社の方が安いこともある
市民葬は、公認の指定業者以外では施行することができません。
もしも希望の葬儀社が指定業者でなければ、市民葬をあきらめるか、他の指定業者を選ぶかをしなければなりません。
市民葬では指定された品目の価格が予め決められています。
祭壇や棺など、気に入ったものを自由に選ぶことができません。
市民葬では祭壇が決められていることがほとんどで、仏式向けの祭壇です。
そのため、キリスト教など既成仏教以外での葬儀を希望の場合は困難になります。
最近では生花祭壇が人気ですが、市民葬では祭壇が指定のため、生花祭壇を飾ることもできません。
最近では格安で葬儀を提供している業者もたくさんあります。
総体的に市民葬を利用するよりそちらの方が安くなることもあるでしょう。
民葬・区民葬の費用
市民葬は、自治体によって指定品目や金額が異なります。
詳しくは事前に自治体に確認をしておきましょう。
ここでは、東京23区で適用される区民葬を例に費用についてみていきます。
区民葬の費用構成は以下のようになっています。
プラン | 区民葬A1 | 区民葬A2 | 区民葬B | 区民葬C |
費用 | 283,800円 | 236,000円 | 124,000円 | 91,000円 |
祭壇 | 金襴5段 | 金襴4段 | 白布3段 | 白布2段 |
棺 | 桐張棺 | 桐張棺 | プリント棺 | プリント棺 |
その他含まれるもの | 記録帳・標示紙・線香ローソク・お香・香炭・幕 | |||
霊柩車 | 14,160円(普通車10キロの場合)〜 ※通常は16300円〜 | |||
火葬料 | 53,100円(大人の場合) ※通常は59,000円〜 | |||
骨壺 | 10,900円(大人2号の場合) ※通常は15660円 |
費用の違いは祭壇と棺の序列です。
東京23区の場合は、祭壇の段数、そして祭壇に掛ける布が金襴地のものか白布かの違いです。
また、棺は桐張棺かプリント棺かに分かれます。
その他、霊柩車料金、火葬料金、骨壺の費用などは定価よりも1~2割程度安価になっています。
しかし、当然ここには含まれない品目もあります。
主なものは以下です。
- ドライアイス
- 遺影写真
- 葬儀社スタッフの人件費
- 会葬礼状・返礼品
- 飲食費
- 供花・供物
- テント
- ご遺体の搬送車
- 出棺車両(ハイヤー・マイクロバス)
- 斎場使用料
- 寺院への謝礼
こうした費用は、ほぼほとんどの品目で追加計上しなければならないので、最終的には葬儀社に出してもらう見積書で費用を判断しなければなりません。
民葬・区民葬の申込方法
市民葬は、火葬許可の申請の際に、市民葬を希望である旨を伝えると市民葬儀申込用紙をもらい、内容を記入したものを葬儀社に渡します。
また、23区であれば「区民葬儀券」をもらい、これを葬儀社に渡します。
実際の現場では、葬儀社が手続きの代行をしてくれることが多いので、喪主がわざわざ役所まで出向かなくていいこともあります。
市民葬・区民葬の流れ
市民葬だからといって、葬儀の流れが極端に変わるわけではありません。
一般葬と基本的には変わりません。
- ご逝去
- 搬送・自宅安置
- 打ち合わせ
- 納棺
- 通夜
- 葬儀
- 出棺・火葬
- 初七日法要
市民葬は自治体によって、費用、含まれるもの、申請方法などが異なります。
事前にそれぞれの自治体や地元の指定葬儀社に細かい内容を確認しておくことをおすすめします。
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