一般的なお墓よりも費用が安くて通いやすく、永代供養も保証される納骨堂は、超高齢化・核家族化が進んでおひとり様も増えている現代において、ニーズが急速に増えているお墓の形です。
「高齢になってお墓に行くのが辛くなった」という高齢者が、天候などを気にせずに参拝できる納骨堂に遺骨を移したり、子孫に負担をかけないために夫婦2人のみの種類を選んだりなど、その選択理由はさまざまです。
ライフスタイルも価値観も多様化している中で、納骨堂のスタイルも千差万別、色々なものがあります。
ここでは、納骨堂の種類やそのメリット・デメリットと、自分のライフスタイルや希望に合った選び方などをご紹介します。
納骨堂の種類
そもそも納骨堂とは、遺骨を納めることができる施設のことで、ひとつの建物の中にたくさんの納骨スペースがある点が、一般のお墓と異なるところです。
それでは、納骨堂には、どのような種類があるのでしょうか。
合祀型
「合祀(ごうし)型」は、別名「合葬(がっそう)型」と呼ばれ、ひとつの永代供養塔の中に骨壺を保管し、骨壺から遺骨を取り出して、他人の遺骨と一緒に埋葬します。
そのため、料金を最も安く抑えることができます。
ロッカー型や墓石型など、ほかのスタイルで納めた場合には使用期限がありますが、それ以降永代供養したい場合は、合祀型に変えて永代供養するのが一般的です。
メリット
- 費用を安く抑えることができる
- そのまま永代供養ができる
デメリット
- 他人の遺骨と一緒に収納される
- 遺骨の移動ができない
ロッカー型
同じ大きさのロッカー形式のものが並んで集まっている、コインロッカーのようなタイプの納骨堂です。
コンパクトながら、完全に個人のスペースとして管理でき、扉を閉じておくとほこりなども入らず掃除の手間がかかりません。遺骨を本堂に移して、参拝できるところもあります。
最近はデザイン性が高いものも多く、お仏壇のような形状のものもあり、安価なことから人気の高いタイプです。
メリット
- 個人専用のスペースを確保できる
- 掃除の手間が省ける
- コンパクトな分安価に抑えられる
デメリット
- 小さいので、お供え物などがあまりできない
- 参拝スペースも狭く、一度に大人数の参拝がしづらい
- 無機質なイメージになることも
位牌型
位牌のみを立てて、遺骨はほかの場所に保管することが多い「位牌型」という納骨堂もあります。
位牌のみなので、価格を抑えることができ、広いスペースを必要としません。
メリット
- 価格が抑えられる
- スペースを必要としない
- シンプルスタイルを好む人には最適
デメリット
- 遺骨を別の場所に保管しなくてはならない
仏壇型
位牌を置く上段と、遺骨を納める下段の2段に分かれており、遺影やお花を飾ることもできます。
完全に孤立した空間を確保でき、家にある仏壇のように、見た目が豪華な装飾を施したものも多くあります。
大きいものでは10人ほどの遺骨を納められるものもあり、家族や子孫まで納める場合には向いています。
メリット
- スペースに余裕があるので、遺影やお供え物などをたくさん置いてお参りできる
- 複数分の遺骨を納めることができる
デメリット
- 費用が高額になりやすい
- 寺院経営をするところに多く、宗派を問われる可能性がある
コンピュータ制御型(自動搬送式)
お参りをする時に、収納された遺骨が、お参りする位置に自動的に移送されるシステムなのが、「コンピュータ制御型」納骨堂です。
専用のカードなどをタッチパネルにかざすと、バックヤードに収納されている遺骨が、自動的に参拝ブースまで運ばれてくるので、そこで参拝することになります。
狭いスペースでも多くの遺骨を収納できるため、駅そばのビルの中や立地条件の良い所に多くあります。
最近では24時間営業のところや、参拝時にスクリーンに映像を流したり、音楽が流れたりするところもあります。
メリット
- アクセスが良い利便性の高いところに多い
- 明るくてきれい、雰囲気が良い
- 24時間参拝できるところもある
デメリット
- 費用が高額になりやすい
- 故障することもある
- 納骨堂の雰囲気は無く、お参りしている実感がわかない
墓石型
墓石が並ぶのは屋外の霊園と同じですが、「墓石型」納骨堂は屋内にあるので、天候に左右されず、掃除等も必要なく参拝ができるところがメリットです。
墓石なので、お参りをしに来た実感がわきやすいスタイルとも言えます。
墓石といえども、どちらかというと一般的なお墓よりもコンパクトサイズのものが多いので、スペースも抑えられ、費用も安く済みます。遺影やお供え物を置くのも、そのスペース内で自由にできます。
メリット
- 天候や気候、掃除の心配が無い
- 一般的なお墓よりも安く納まる
- アクセスの良い所が多い
デメリット
- 墓石大がかかるところが多い
どのタイプの納骨堂を選べばいいの?
納骨堂を選ぶにあたっては、立地や費用ももちろんですが、その納骨堂に何人の遺骨を納めるかという家族の事情や、参拝時に広いスペースを確保したいなど、色々な希望を考慮して選ぶようにします。
ここでは、主なニーズ別に、それぞれに最適な納骨堂のタイプをご紹介します。
家族代々で入りたい場合
納骨堂のタイプには、1人用のものもあれば、夫婦で入る2人用、大人数の家族を納めることもできる大型のものなど、複数のタイプがあります。特に家族代々で入りたい場合は、「仏壇式」を選ぶと良いでしょう。
仏壇式は、最大で10名ほどの遺骨を納めることができるものもあり、スペースを広く取れるところを選べば、家族それぞれの遺影や思い出の品なども、並べておくことができます。
広いスペースが必要な場合
参拝時に大勢が集まる、ないしは、たくさんの思い出の品やお供え物をしたいなど、広いスペースが必要な場合は、隣と密接していない場所の「墓石式」にするのが良いでしょう。
墓石式には、隣と密接して並んでいるものもあれば、一般的なお墓のように、個人の敷地が区画され、スペースを広く取って販売しているところもあります。このような場所であれば、たくさんの参拝者が来ても、多くの供養品が並んでも心配のいらない充分なスペースを確保できます。
個別に供養したい場合
個別に供養したい場合は、合祀型のような他人の遺骨と一緒のスタイルではなく、ロッカー型や仏壇式、墓石式がお勧めです。
ロッカー型は、鍵付きの扉で閉じることができるので、完全に独立した空間を確保できます。
また、仏壇式や墓石式も、それぞれ遺骨を個別に納めるので、個人のスペースで供養ができます。
費用を抑えたい場合
費用を抑えたい場合は、他人の遺骨と一緒に埋葬する「合祀型」が最も安く抑えられそうです。
また、位牌式も、骨壺がほかの場所に保管されますが、広いスペースが必要ないので安く済みます。
個別の場所を確保できる種類では、「ロッカー型」が一番安く納まります。
物を置くスペースが広く取れる「仏壇式」や、墓石代がかかることの多い「墓石式」は割高となります。
永代まで供養してもらいたい場合
合祀型は最初から永代供養となりますが、ほかの種類の納骨堂でも、決められた使用期限以降も継続して永代供養にしたい場合、合祀型にするか、または再契約などに切り替えることができます。
それぞれの納骨堂によって違いがありますので、必ず事前に確認するようにしましょう。
まとめ
一般的なお墓よりも利便性が高く、今のライフスタイルに合った種類やサービスが豊富な納骨堂の、種類別メリットやデメリット、選び方などを紹介しました。
納骨堂を選ぶ際には、自分だけで決めるのではなく、家族や親せきの意見も聞きながら決めることが大切です。
また、今だけではなく、自分や家族の将来を見据えて、誰が入るのか、いつまで供養するのかなどを考えることも重要です。
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