友人や親戚がキリスト教で、その親族が亡くなった場合、葬儀はどうなるのでしょうか?
ここではキリスト教式の葬儀や流れについて紹介しています。
キリスト教式葬儀に参列される際に参考にしてみて下さい。
キリスト教について
キリスト教の葬儀について紹介する前に、キリスト教についておさらいしておきましょう。
キリスト教とは、ナザレのイエスを救世主(キリスト)と信じる宗教で、世界中で信仰されています。
信者の数は世界中で20億人とも言われ、これは世界最多の信者数を誇ります。
なお、日本における信者数は約260万人です。
これだけの信者を持つ宗教ですから、いくつもの諸派に分派しています。
代表的なものにカトリックとプロテスタントがあります。
カトリックとプロテスタント
イエス・キリストの時代を起源とするカトリックは、ローマ・カトリック教会の権威が強く、伝統に厳格です。
一方、プロテスタントとは中世期の宗教改革によって誕生した諸派の総称で(「プロテスタント」という宗派があるわけではありません)、カトリックに比べて自由で柔軟だという特徴があります。
葬儀の申込
まずは自分が通っている教会に連絡しましょう。
カトリックは原則洗礼を受けた信者でなければ葬儀を受け付けてくれません。
葬儀が発生したということで緊急に洗礼を受けることもできますが、それはその教会の信者になることを意味します。
また、斎場を利用することなく、教会で葬儀をすることになるでしょう。
一方のプロテスタントは、どんな方の葬儀でも受け入れてくれると言われています。
さきほども触れた通り、比較的考え方が柔軟であるというのがプロテスタントの傾向にあります。
これまで教会とつながりがなかった方でも、葬儀の依頼に応じてくれます。
また、カトリックが教会の権威を重視するのに対し、プロテスタントではそこまで重視しないため、葬儀の場所も斎場や葬儀会館を利用して執り行います。
カトリックの葬儀の流れ
- 病者の塗油
- 聖体拝領
- 納棺
- 通夜の祈り
- 出棺式
- 葬儀ミサ・告別式
- 出棺・火葬
息を引き取る直前に、危篤の者に聖油を塗ります。
こうすることですべての罪からの解放と永遠の安息を祈ります。
息を引き取って死を迎えると、パンと赤ワインを口に含ませます。聖体とはキリストの血肉のことで、パンが肉、赤ワインが血を表しています。
遺体を自宅に搬送すると速やかに納棺します。
納棺は司祭が執り仕切ります。
キリスト教では死者に着せるものの決まりはなく、故人が生前愛用していたものや、家族が望むもので構いません。
手は胸の位置で組み、ロザリオや十字架を握らせます。
カトリックには「通夜」はありませんが、日本社会の慣例に準じる形で「通夜の祈り」が行われるようになりました。
場所は自宅か教会で行われます。
聖歌斉唱、聖書朗読、司祭の説教、聖水撒布や献花が主な内容です。
祈りのあとは軽食を囲み、偲ぶ会とします。
カトリックの葬儀は教会で行うために、教会への出棺に先立ってこ儀式を執り行います。
カトリックの葬儀ミサは、「入堂式」「ミサ聖祭式」「赦祈式」の3つの儀式で成り立ちます。
また、告別式というものが本来行われないのですが、これも日本の葬儀の慣例に倣って、ミサを終えたあとに故人と参列者との別れの時間を設けます。
キリスト教は復活思想です。
キリストの復活に倣い信者も死後に復活するものと信じられているために、原則的には火葬ではなく土葬にします。
ところが日本では土葬ではなく火葬が一般的であるために、カトリック教徒でも火葬をします。
カトリックの葬儀の考え方
カトリック教会は、世界中に信者を持つキリスト教の最大教派です。約12億人の信者がいるとされ、中心にはローマ法王がいます。
ローマ教会やローマ・カトリック教会とも呼ばれています。
カトリックでは、死は終わりではなく始まりと考えられ、その思想が葬儀にも反映されています。
生前の罪を認め、許しをこい、洗礼を受けた者だけが死を通して永遠の命に移るように祈ります。
キリストが死に、そして復活したように、同じ神秘を預かることができるとされています。
また、カトリックはとても厳格で、伝統主義の教派です。
洗礼を受けた教徒でなければ葬儀を受け付けてくれません。
プロテスタントの葬儀の流れ
一般的なプロテスタントの葬儀の流れをご説明します。
- 聖餐式
- 搬送~納棺
- 前夜式
- 出棺式
- 葬儀・告別式
- 出棺・火葬
カトリックにおける聖体拝領と同じです。
危篤の信者の口にパンと赤ワインを与えます。
パンはキリストの肉で赤ワインはキリストの血を表しています。
聖書を読み、罪の赦しを乞い、そして永遠の安息を祈ります。
搬送先は自宅か、あるいは斎場や教会などの葬儀を執り行う場所にします。
安置した遺体の前には白の布を掛けた机を用意して、花と灯と聖書を置きます。
納棺には牧師が立ち合って祈ります。
カトリック同様、死者の衣服の決まりがなく。
遺族の手で納棺します。
通夜にあたる儀式です。
プロテスタントでは祭壇を認めていません。
ですから祭壇と呼ぶには質素なもので、十字架、ロウソク、生花、遺影などを飾りつけるだけです。
讃美歌斉唱、聖書朗読、祈祷、献花などが葬儀の主な内容です。
式後には軽食を囲んで故人を偲びます。
遺体を教会や斎場などに安置するのでなければ、葬儀当日に出棺式を行います。
出棺式には牧師が立ち合い、聖書朗読や祈祷などをします。
プロテスタントの葬儀はでは、讃美歌斉唱、聖書朗読、祈祷、故人の略歴紹介、弔辞弔電、献花、遺族の挨拶などが主な内容です。
カトリックのように、ミサと告別式を厳密に分けません。
参列者で棺の中に花を納めてあげて、火葬炉の前で牧師が祈りを捧げます。
プロテスタントの葬儀の考え方
プロテスタントとは文字通り、プロテストつまり抵抗から生まれた新教派の総称です。
決してプロテスタントという教派があるわけではなく、数百とも言われています諸教派をまとめて読んでいるのです。
そのため、葬儀の進め方は教派によって異なります。
傾向として、厳格で伝統主義なカトリックに比べてプロテスタントは比較的自由でリベラルだと言えます。
洗礼を受けていない人の葬儀もある程度受け入れてもらえるでしょう。
もちろん個別の案件となるので、まずは教会に相談してみましょう。
御花料の目安・相場
仏式葬儀では御香典を御霊前と書いた香典袋に包みますが、キリスト教葬では、御花料と呼びます。
御香典はお線香を供える代わりに、御霊前は死者の霊前に供えるものとして、という意味合いがありました。
ところが、キリスト教では、まずお線香を供える慣習がなくまた死者が霊になるという考え方もありません。
そのため、手向けの花の代わりに御花料を差し出すのです。
なので、御花料の目安や相場は以下のように一般的な御香典と同じくらいと考えれば問題ありません。
- 両親 100,000円
- 祖父母 10,000円から30,000円
- 職場の方 5,000円から10,000円
- 友人・知人 5,000円から10,000円
また、不祝儀袋は蓮の絵が描いてあるものは避けましょう。
献花の作法・マナー
キリスト教葬では、焼香ではなく、献花で弔意を示します。
祭壇前に置かれた献花台に進み出るとスタッフからカーネーションが手渡されます。
根を祭壇の方に向けて献花台に手向けたのち、心を込めて黙礼、あるいは合掌をして、故人の冥福を祈ります。
キリスト教葬儀の参列の注意点
キリスト教葬だからといって、特別に注意しなければならないことはありませんが、それでも一般的な仏式葬儀とは異なる点もあります。
- 服装は、黒の喪装を身につける
- 念珠は不要
- 聖歌や讃美歌への参加
仏式でもキリスト教式でも同じことですが、黒の喪送で参列するようにしましょう。また、華美なかばんや靴やアクセサリを身につけるのは控えましょう。
葬儀の時にはあたりまえの持ち物として念珠がありますが、念珠は仏教における礼拝時に用いる法具なので、キリスト教の葬儀では原則として不要です。
キリスト教の葬儀では、聖歌や讃美歌を歌う場面があります。
普段、キリスト教の教会に行かない方、聖歌なんて歌ったことのない方は戸惑われるでしょう。
歌詞を知らなかったり、聖歌を歌うことがはばかれるようであれば、無理して歌う必要はありません。
目を閉じて、じっくりと聖歌や讃美歌の調べを感じて、故人の冥福を祈ればよいでしょう。
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