病院で息を引き取ると、すみやかに葬儀社に連絡して、遺体の搬送の手配をします。
ですから、予め安置先を決めておく必要があります。
自宅であれば問題ありませんが、そうでない場合は、葬儀社に相談しなければなりません。
ここでは、自宅に安置する前提で紹介しています。
遺体安置の流れ
安置する部屋はあらかじめ決め、掃除しておく
自宅の中のどの部屋に安置するかはあらかじめ決めておきます。
そして、その部屋は予めきれいにしておきましょう。
故人が葬儀までお休みいただく場所であり、同時に弔問の方が見えるかもしれない場所になるためです。
また、葬儀は、ただでさえ不慣れで過密な日程の中行われます。
ざわついてしまう気持ちを少しでも落ち着けるためにも、安置する部屋がきれいに整理整頓され、その中に納まりよく故人を安置するのはとても大切なことなのです。
安置する場所はなるべく冷房のある部屋にする
故人を安置する部屋はなるべく冷房のある部屋にしましょう。
少しでも室温が低い方が、ご遺体への負担が軽減されます。
エンゼルケアとドライアイスの手当
北枕にして故人を寝かせたら、葬儀社による遺体の手当が行われます。
病院などのエンゼルケアが不十分の場合、この場で清拭や綿詰めが行われます。
もしも、家族による化粧を希望の場合は、葬儀社に申し出ましょう。
体温が残った故人に触れる最後の機会です。
というのも、このあとまもなくするとドライアイスが当てられるからです。
腐敗に伴う皮膚の変色や腐臭を防止するための大切な処置なのですが、1度ドライアイスを当てられた身体は冷たく、そして固く凍ったようになります。
化粧をしなくとも、最後の体温を感じるためにも、故人のお肌に触れてあげましょう。
なお、感染症などの恐れがある場合は、葬儀社の指示に従うことになります。
枕飾りの設置
故人の身体の手当が済むと、枕飾りを設置します。
葬儀社が用意した祭壇と具足(お参りのための道具、線香やローソクやりんなど)でお参りの祭壇とします。
- 巻き線香
- 枕飯
- 枕団子
ローソクの火を灯し、線香を絶やさないように渦巻き状の線香を点けておきます。
茶碗に山盛りの白米を供えて、箸を突き立てます。
故人が普段使用していたものを用います。
6つの団子を供えます。
これは、仏教の六道輪廻に由来します。
仏教では人が死んでなくなると49日間の旅に出て、審判を受けたのち、六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道)のいずれかに生まれ変わるとされていて、団子はその旅の供え物とされています。
神棚封じ
神道では死の穢れを忌み嫌うため、神棚がある家ではこれに半紙を貼って封じ、四十九日を終えるまでの間、そのままにしておきます。
礼拝などもしません。
すでにある水や米などの供え物は傷んでしまうだけなので下げて破棄して構いません。
安置場所の種類とメリット・デメリット
安置場所は自宅か、あるいは葬儀社などの安置施設のいずれかになります。
それぞれのメリットとデメリットをまとめました。
自宅安置のメリットとデメリット
自宅安置のメリット
なんといっても故人を自宅に帰してあげることができることです。
ずっと病院での入院生活、施設での入所生活を強いられていた故人にとって、自宅がどれほど安らぐ場所でしょうか。
また、家族にとっても、通夜や葬儀の日まで故人とゆっくりと過ごすことができます。
その他、弔問客を招くことができますし、寺院の枕経を招くこともできます。
自宅安置のデメリット
日常生活の空間がどうしても非日常空間になってしまうので、疲れが出てしまうことがあります。
親戚、弔問客、葬儀社が出入りする中で、故人を守ることは思いのほか披露を強います。
お線香も絶やさずに番をしようとすると、夜に眠ることもできません。
また、人の出入りがいつも以上に起こりうるので、近隣の方々の理解が必要なこともあります。
安置施設利用のメリットとデメリット
安置施設利用のメリット
遺体の管理を葬儀社に任せるので、手間や疲労が軽減されるでしょうし、何よりも安心できます。
また、自宅内は日常通りの生活空間が維持でき、ゆとりをもって通夜葬儀に臨むことができます。
安置施設利用のデメリット
面会に制限があるために、会いたい時に会うことができません。
また、他の方との共有スペースでの安置になるために、個別のお参りができません。
弔問客の対応などもできません。
利用の際は、有料となります。
納棺の儀
遺体安置後に葬儀の打ち合わせを行います。
打ち合わせの後、僧侶が到着したらご遺体の前で読経(枕経)を行うことになります。
読経が終わると、納棺の儀を行います。
納棺の儀の流れ
湯灌(ゆかん)
湯灌とは、故人の身体をきれいに清める儀式の事です。
納棺に先立つ形で行われます。
病院のエンゼルケアによって、あらかじめきれいにしてもらっているのですが、家族を囲んで、儀式として湯灌を執り行います。
湯灌は古い昔から日本各地で、さまざまな方法で行われてきました。
たらいで沐浴をさせていたり、実際の風呂桶を使用したり、家族親族みんなで遺体をきれいにしました。
最近では、簡略され拭き湯灌が一般的です。
拭き湯灌では、固くしぼった布や清浄綿で、故人の顔や手を拭いてきれいにします。
また、自宅用のバスタブを持ち込んで本格的な湯灌のサービスもあります。
死装束(しにしょうぞく)
湯灌できれいにした身体に死装束を着せます。
仏教では死後に四十九日の旅に出ると考えられ、その旅の姿です。
具体的には、次のようなものを身につけます。
- 白の帷子
- 手甲
- 脚絆
- 足袋
- 頭陀袋
- 天冠(額に当てる三角布)
- 頭陀袋(中に三途の川の渡し賃の六文銭を入れます)
- 草履
- 笠杖
など
浄土真宗など、教義上、死装束を着せないこともあります。
また、神道では神職に似せた格好をさせます。
納棺
これらの準備を経て、参加者全員で、故人を棺に納めます。
棺に納まると、いよいよ故人は通夜、葬儀へと臨むことになるのです。
副葬品の注意点
副葬品とは、故人と一緒に棺の中に納める物のことです。
故人が愛用されていたもの、ご家族の想いを託すものなど、副葬品もさまざまです。
ただし、副葬品は原則可燃のものに限ります。
燃え残るもの、遺体を傷つけるもの、火葬炉を傷める原因になるものは納めることができません。
詳しくは葬儀社に相談してみましょう。
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