一人暮らし・身寄りがない場合の葬儀はどうすればいいの?

一人暮らし・身寄りがない場合の葬儀はどうすればいいの?
内閣府の発表によると、2015年における65歳以上がいる全世帯数は23,724世帯で、5年前の12.6%増、また、全世帯に対する65歳以上がいる世帯数の割合は2015年で47.1%とこれも5年前より4.5%増となっており、確実に高齢者が増えています。

また、2015年の65歳以上1人暮らし人数は、男性1,924人、女性4,003人、合計5,927人となり年々増加。
その高齢者世帯全体に対する割合も男性13.3%、女性21.1%となり、今後2035年に向けて、いわゆる高齢者単身世帯がますます増えていくと予想されています。
参考記事:高齢者の家族と世帯|平成29年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府

このように、高齢者の単身世帯が増えていくと、問題になるのが身寄りの無い高齢者の孤独死です。
ニュースになることもしばしばありますが、今後本格的な高齢化社会を迎えるにあたり、この問題はますます深刻化していきます。

これは特に高齢者に限った事では無く、地縁性や人間関係が希薄な現代において、周りに頼る人がいない身寄り無し当事者になる事は、誰もが陥る危険性のある問題です。
もし仮に、家族や親戚、友人など頼りになる人がおらず、経済的にも困窮をしていた場合、このような方々の葬儀はどうのように行われるのでしょうか。

また、死後の始末は誰が行うのでしょうか。

本記事では、こうした身寄りの無い人の葬儀がどうなるのか、また、その場合の死後の処理方法等についてご紹介いたします。

身寄りの無い人が準備無く亡くなった場合は、自治体が対応する

通常は葬儀が行われる場合、故人の家族や近親者、まれにその友人などが式を挙げます。

ですが、頼れる身寄りがなく、後述する任意後見契約死後事務委任契約などの契約をせずに孤独死などで亡くなった場合は、一般的な葬儀は行われず、ご遺体は自治体の管理下におかれます。

自治体
全く身寄りが無い、身元がわからない場合は、行旅病人及行旅死亡人取扱法という法律のもと、死亡地の自治体によって火葬のみが行われます。

仮に親族が居ても孤独死だった場合、その死亡地で火葬が行われます。

遺骨の処理はどうなる?

親族がいる場合の孤独死については、自治体の手配で火葬が行われた後に、遺骨は親族に返されますが、引き取りを断われることも少なくありません。

この場合や親族が居ない場合は、自治体が一定期間保管(自治体によって異なるがおおむね5年程度)しますが、それを過ぎると無縁塚に埋葬されます。

仮に孤独死だったとしても、個別の墓は与えられませんが、遺骨の埋葬はきちんと行われます。

近隣住民が葬儀をあげてくれることも

仮に孤独死であっても、地域や近隣住民との交流があれば早期発見をされる可能性が高まり、近隣者等が喪主として葬儀を行ってくれる場合もあります。
もし、故人が死後事務委任契約などを結んでいた場合は、そこから葬儀の費用を支払ってもらえます。

また、健康保険の埋葬費給付制度などを使えば、故人が国民健康保険または社会保険の加入者だった場合、家族以外でも「埋葬」を行った方に対して「埋葬料」の範囲内(5万円)で支給されることもあります。

死後の始末を、司法書士や弁護士に相談しておく

人が亡くなると、役所や金融機関への手続きのほか、葬儀の執行やお墓への納骨、その後の遺品整理など、たくさんの死後処理が必要となります。

通常であれば、家族や親族がこれらを行いますが、身寄りの無い人が亡くなった場合、ないしは突然の孤独死だった場合、これらを担う人がおらず自治体の管理下になることになります。

この場合、少なくとも自治体や近隣住民などに迷惑をかけることになり、自分の意図せぬ最期になりかねないため、このようなことを避けるためにも、死後処理のことを第三者に任せることができる死後事務委任契約などを、生きているうちに結んでおくことをおすすめします。

死後事務委任契約とは、自分の死後の各種手続きや葬儀、遺品整理などの作業を代行してもらう契約です。
通常は、行政書士や弁護士事務所がこれらの契約を請け負います。

司法書士や弁護士に相談
死後事務委任契約と似ている制度に遺言任意後見人制度などもありますが、遺言が主に有効なのは財産分与に関してです。

例えば葬儀や埋葬方法などについて本人の希望を遺したとしても、その効力はありません。

また、任意後見人制度は、認知症などになって判断力を失った場合を見据えて、財産管理や医療・介護に関する手続きをする代理人=後見人を選任しておく制度です。

任意後見契約の内容は、被後見人となる高齢者などと、任意後見受任者との間で自由に決定することができますが、任意後見人制度は、本人が亡くなった時点で契約が終了するため、葬儀の執行や遺品整理を代行してもらうことができなくなります。

そのためにも、死後の処理を希望する場合は、死後事務委任契約をしておくことが重要になるのです。

任意後見人制度と死後事務委任契約を同時に結ぶことも

上記のように遺言の守備範囲は財産分与、任意後見人制度は生きている間の財産管理、死後事務委任契約は死後の処理ということなので、最近では任意後見人制度と死後事務委任契約を同時に結ぶ方も少なくありません。

身寄りの無い高齢者にとっては、生きているうちから死後処理まで任せることができるこの2つの契約を結んでおくことは、とても安心できる保証であり、選択肢のひとつとして考えておきたいものです。

死後事務委任契約で対応してくれること

死後事務委任契約では、おおむね下記のようなことを代理で対応してくれます。

  • 死亡届等の役所への届出
  • 家族、親族、知人がいる場合その方々への死亡連絡
  • 勤務先等の退職手続き
  • 葬儀・納骨・埋葬等の手配、処理手続き
  • 生前の医療費など未払分の精算
  • 遺品整理、住居・不動産処分の手続き
  • 電気、ガス、水道等恐々サービス、電話、インターネット、新聞等各種サービスの解約
  • 住民税、固定資産税等の納税手続き
  • など

死後事務委任契約を締結するには

死後事務委任契約は、行政書士や弁護士が対応しますので、契約を検討したい場合はこれらの事務所で相談します。
契約時には、上記の対応範囲要素から自分が委託したいことを選び、具体的な費用面などの交渉を行います。

上記以外にも頼んでおきたい事、例えば遺されるペットの対応など、ご自身の身の回りで死後に対応してもらいことをリスト化しておきます。

また、契約締結は口頭でもできますが、公正証書などの契約書にしておく方が良いでしょう。

死後事務委任契約にはどのくらい費用がかかるの?

「死後事務委任契約」の費用は、依頼する行政書士や弁護士によっても、また、自治体によって手続きが異なる場合もあり、その場合は地域によっても金額が変わってきます。

当然依頼する内容によっても異なるため、もし「死後事務委任契約」を検討したいならば、日頃からインターネットや書籍で情報収集をしておくことをお奨めします。

死後事務委任契約費用の目安
  • 死亡届等の役所への届出:1件に付き数万円~
  • 勤務先等の退職手続き:数万円~
  • 葬儀・納骨・埋葬等の手配、処理手続き:10万円前後~
  • 生前の医療費など未払分の精算:1件に付き数万円~
  • 遺品整理、住居・不動産処分の手続き:10万円前後~
  • 電気、ガス、水道等恐々サービス、電話、インターネット、新聞等各種サービスの解約:1件に付き数万円~
  • 住民税、固定資産税等の納税手続き:1件に付き数万円~
  • など

さいごに

超高齢化と人間関係の希薄化が加速する中で、身寄りが誰もいなくなる、頼れる人が周りに居ないなどの現象が、これからますます増えていきます。
しかもこれらは他人事では無く、いつ自分の身にふりかかるかもわからない問題です。

仮に1人になっても、自治体や近隣住民にも迷惑をかけずに、自分らしい最期を迎えるためにも、生きている間に死後事務委任契約や、任意後見人制度について、きちんと考えておくのも賢明な判断だと思います。

ぜひこの機会に、「1人になった場合の自分の最期のあり方」について考えてみませんか。

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