自分の死を自分で考える時代です。
本屋さんに行けばエンディングノートのコーナーが設けられ、ちまたの終活セミナーは活況を帯びています。
自分たちで自分たちの死を考えるという営みの象徴的なツールとしてのエンディングノートとは、一体どのようなものなのでしょうか?
エンディングノートとは
自分が死を迎えたり、判断能力が衰えてしまうと、当然意思表示ができなくなります。
そうした万一の時のために、元気なうちから自分自身に関する情報をまとめておくのがエンディングノートです。
遺された者が困らないように、自身の死後の希望を叶えるために、これまでの半生を振り返るために、人生の残された時間をよりよく過ごすためになど・・・さまざまな理由でエンディングノートが活用されています。
どうやって入手するの?
最も一般的なのは市販のものの購入です。
書店やネットショッピングなど、さまざまな出版社がエンディングノートを刊行しています。
また、それ以外にも葬儀社や終活セミナー主催団体が配布するもの、NPO法人や地方自治体が配布するもの、インターネットからダウンロードできるものなど、さまざまな形で入手する事ができます。
エンディングノートを残すメリット
1.自身の医療や葬儀や供養の希望を残しておくことができる
エンディングノートの最大の目的は、自分自身の意思表示です。
病気が進行して判断能力が衰えたり、意思表示ができなくなってしまう。
あるいは、家族とも細かいコミュニケーションが取れないうちに息を引き取ってしまう。
このような不安を解消するために、エンディングノートがあります。
たとえば、次のようなことを自身の死後の整理を託す人への意思表示として、エンディングノートを活用しましょう。
- 延命治療はやめてほしい
- 葬儀は家族葬にしてほしい
- 葬儀には◎◎さんと○○さんには参列してほしい
- 供養は○○寺に連絡してほしい
- 墓を建てずにお寺に預けてほしい
2.遺された人たちを困らせないようにする
核家族社会が一般化し、親子ですら同じ場所に住まなくなった時代です。
それでも故人の死後の整理をするのは血縁、とくに子供です。
預金通帳や印鑑、証書、鍵、各種契約関係、WEBサービスにログインするためのパスワード、お寺、お墓、交友関係など、故人本人でなければ知り得ない情報はごまんとあります。
よって、これらを把握していなければ遺された側は順調に整理する事ができません。
遺された人たちのためにエンディングノートは活用されています。
3.自分自身の半生を振り返る事ができる
エンディングノートに書く事柄は預貯金の事や印鑑の事など、事務的な伝達だけではありません。
たくさんのエンディングノートが「自分史」を書く欄を設けています。
- どのような両親だったか。
- どこで生まれてどのような幼年期を過ごしたか。
- 自分が生まれ育った生家がどのようなところだったか。
- 卒業した学校や就職した会社。
- 配偶者や子供との思い出などを記載します。
遺された者に自分自身の半生を伝える事ができるだけでなく、自分自身の半生を振り返るよい機会になるようです。
エンディングノートに記載する内容
エンディングノートには以下のような事を記載します。
- 自分自身の基本情報
- 関係者リスト
- 財産や保険・年金について
- 携帯電話や各種サービスなどの解約を希望するもの
- 葬儀やお墓などの死後の供養の事
- 自分史
- 大切な人へのメッセージ
氏名や住所、生年月日、血液型、今かかっている病気などについて記載します。
親戚や友人や知人や、関係のある方々の住所・氏名・連絡先などをリストにしてまとめておきます。
万一の時や何か用事がある時など、急な連絡が必要な時に大変便利です。
預貯金や株式、不動産、有価証券、金融資産などだけでなく、借入金やローンなどの取り扱いについても記載しておきましょう。
また、保険や年金の手帳などの所在も分かるようにしておきましょう。
携帯電話やプロバイダ契約、クレジットカードなどのさまざまなサービスの解約をお願いしたいものをリストアップしておきましょう。
自分の葬儀をどのようなものにしてほしいか、お墓をどのように埋葬してほしいか、どの寺院と付き合いがあるかなど、自身の死後供養についての希望をまとめておきましょう。
自分がこれまでどのような人生を歩んできたのか。親や兄弟の思い出。
故郷や学生時代の友人たちの事。
就職、結婚、子育てなど、自分自身のために、そして後世に自身の半生や生き様を伝えるためにも、自分史のまとめることをお勧めします。
もしもどなたか大切な人へのメッセージがあれば、エンディングノートに記載するのもいいでしょう。
エンディングノートの書き方
エンディングノートには、何を書いたらいいかの指示が丁寧になされています。
あまり深く考えずに、項目ごとにペンを進めていきましょう。
なお、エンディングノートは、定期的な書き換えが必要になります。
元気なうちにエンディングノートを書く訳ですから、当然時間が経つにつれて考えが変わる事も起こりえます。
はじめから完璧を目指さずに、軽い気持ちで書き始め、定期的な見直しや書き換えをしましょう。
エンディングノートを作るタイミングや年齢について
エンディングノートには、決まったタイミングや年齢はありません。
とはいえ、エンディングノートを手に取るという事は、老いや死を意識しだしたことを意味します。
子育てを終えた50代、定年を迎えた60代の方が多いようです。
また、日々の慌ただしい日常の中でいきなり死や供養について考えるのもなかなか難しいのが普通です。
ですので、誕生日や何かの記念日など、自分のこれまで重ねてきた日々を振り返りながら、自身の死を見つめるのがよいかもしれません。
エンディングノートと遺言書の違い
エンディングノートと遺言書の最大の違いは、法的拘束力があるかないかです。
エンディングノートには法的拘束力が無く、遺言書には法的拘束力があります。
したがって、法的拘束力がない分エンディングノートは自由に書くことができます。
エンディングノートが個人の意思や感情などを自由に書き込めるのに対し、遺言書は相続や子供の認知などに関することが中心となり、また生前の事に関しても書く事ができません。
意思表示はエンディングノート、確実に実行してほしい事柄は遺言書にまとめることをおすすめします。
まとめ
自分たちの死を自分たちでプロデュースする時代、多くの方がエンディングノートを手に取っています。
しかし、先ほども書きましたように、記述率は思いのほか低いという現状があるようです。
ノートを書けば安泰という訳ではありません。
なぜなら、死者の供養や、死後の整理は自分自身ができる訳ではなく、誰かに委ねなければならないという本質があるからです。
ノートを買って、ペンを走らせるのもよいですが、まずはそれを誰に委ねるのか。
そして、その人と普段から密にコミュニケーションを取って、意思の疎通をしておく事が大切です。
会話で想いを伝える。これだって、充分立派な終活なのです。
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