生きている以上、人間いつかは死が訪れます。「葬儀」という形で故人を見送るわけですが、その葬儀で重要な役割を務める立場が「喪主」です。
分かりやすく言えば葬儀の幹事です。
近親者のお葬式に出向いたことがある方は大勢いると思いますが、喪主を務めた方は限られるのではないでしょうか?。
誰しもが喪主を行うわけではありませんが、身近な人が亡くなったとき、突然それはやってきます。
家族や配偶者が亡くなった場合、気持ちが不安定な状態であっても故人を見送るためには喪主の役目を果たさなければなりません。
私には関係ない、今はそう思っていても、いざ、その時が来たら冷静に対処できるでしょうか?
喪主はすべきことが沢山ある
単に葬儀と言っても、準備や段取り、手続きや流れを考えると結構やることがあります。
喪主を経験された方に話を聞いてもみても、「えっ?こんなに済ませることがあるの?」と驚く人も大勢います。
また、葬儀前だけではなく葬儀後においても段取りや手続きがあるので、行き当たりばったりで処理すると見落としてしまったり二度手間になったりと苦労しかねません。
葬儀屋に全部任せているから安心、なんて思っていたら、なかには「悪質な葬儀屋」もいるので注意が必要です。
とんでもない費用をぼったくられたり、適当な葬儀で済まされたりして満足に故人を見送ることができず後悔する人も多くいます。
まずは、自分自身が喪主や葬儀のことを理解して、いざという時のために心がまえを備えておくことが大切です。
それでは早速、葬儀で喪主がやるべきことを順番に確認していきましょう。
STEP1 喪主が最初にするべきこと
喪主が最初にしなければいけないことです。
全て一人でおこなう必要はありません。
ご親族、ご友人や病院等の手助けもあると思うので簡単にポイントを把握しておきましょう。
- 葬儀の場所
- 遺体の搬送先
- 住職(寺)の段取り
- 遺影(故人の写真)を準備
- 葬儀の予算を決める
- 葬儀の依頼先
自宅、葬祭場、お寺など葬儀を行う場所の目星をつける。
病院からの搬送先を決める。
搬送先は自宅か葬儀社の斎場が一般的です。
菩提寺と同じ宗派の寺を選ぶのが一般的です。
菩提寺が分からないときには、葬儀社に相談すれば手配してくれます。
菩提寺が遠方の場合は、菩提寺に一旦連絡して近隣にある同じ宗派の寺を紹介してもらいます。
なお、戒名については菩提寺側でつけてもらうことになります。
故人の人柄が参列者に伝わるような写真を選びます。
現在は、葬儀社が背景や服装などの画像処理を行うケースが多いようです。
香典収入を予想して、予算を立てます。
その後、葬儀社に見積を出して打合せとなります。
葬儀社を決め、斎場の段取りをする
STEP2 死亡から葬儀準備までの流れ
次に、故人となった人の「死亡から葬儀」までの流れを順番に確認していきましょう。
STEP1よりも、さらに細かな処理になるので一つずつポイントを押さえてくださいね。
1 遺族、親族で相談して「喪主」を決める
STEP1の内容を、この段階で全て終わらせます。
喪主の決め方については、故人と最も親しく縁の深い人間がおこないます。
決まったルールはありませんが、基本は配偶者、配偶者が亡くなっていれば長男や長女、同居していた子供、ご友人という優先順位となります。
2 葬儀社に連絡
主に二点おこなうことがあります。
- 遺体の搬送を病院に連絡し、葬儀社が搬送する
- 葬儀社に故人の氏名、病院名、搬送日時、遺体の搬送先を知らせる
3 病院で「死亡診断書」の受け取り、役場へ「死亡届」の提出
死亡してから7日以内に処理しましょう。
医師から「死亡診断書」を受け取り、「死亡届」の用紙に必要事項を記入して市町村の役場に提出します。
死亡届が受理されると、「火葬許可証」または、「埋葬許可証」が発行されます。
4 遺体の受け入れ
布団、枕飾りの準備。
一般的には葬儀社が行います。
5 住職(寺)に連絡
いきなり通夜や葬儀日程等の相談に入るのではなく、僧侶に枕経を依頼してください。
6 枕経
住職により枕経が行われる。
数珠を用意することを忘れずに。
枕経の時点では、まだ喪服を着る必要はありません。
7 お通夜と葬儀日程を打合せ
ここで初めて具体的な打合せに入ります。
「友引」の日は葬儀しません。
友引は「友を引く」ことが由来とされ、不幸が続くのを避けるために葬儀・葬式を行なわないという意味があります。
また、友引以外であれば仏滅も大安も関係ありません。
葬儀日程は寺と斎場、火葬場などの空きを確認してから、調整する必要があるため、葬儀社に段取りをお願いするのが一般的な流れです。
打合せで確認する要件
- 見積りと予算を比較する
- 葬儀料金に含まれる葬儀内容(葬儀社が何をしてくれるかを確認)
葬儀の規模やお花のスペック1つ1つに価格が付いています。
見栄を張って高い葬儀をおこなう必要はありません。
あくまで故人が喜んでくれるか?をベースに考えてください。
8 納棺
遺体を浄め、死装束を着せる。お棺に一緒に入れたいものがあれば棺に入れます。
納棺のタイミングにルールはありませんので、状況次第で前後する場合があります。
基本的には安置されてからお通夜の前までにおこないます。
9 参列者に葬儀日程を知らせる
友人や知人など葬儀に来てもらう人へ葬儀日程を知らせる。
弔辞をお願いしたい人には前もって連絡をしておきます。
葬儀の役割分担を決めておくのを忘れずに
- 受付係
- 接待係
- 駐車場係など
- 出棺時の役割分担
挨拶、遺影を持つ人、遺骨箱を持つ、棺を持つ人5・6人
※位牌は喪主が持ちます。
※葬儀社が段取りすることが多いようですが、打合せは喪主が立ち会います。
10 精進料理の内容、菓子、飲み物など用意する数を決める
葬儀プランに入っていることもあります。
葬儀会社に確認して入ってなければ、法要専門の料理店などに連絡をして注文してください。
金額の目安は5,000円~10,000円くらいです。
見落としがちですが、住職の分も用意しておくのが常識です。
STEP3 お通夜から葬儀までの流れ
さて、ここまでが故人が死亡した日から葬儀が行われる寸前までの準備です。
次に、お通夜から実際に葬儀が行われるまでの流れを確認していきましょう。
11 お通夜
ご存じのお通夜とは葬儀前日に故人の思い出話しで語り合う最後の夜となります。
「線香や蝋燭を絶やさないようにする為、一晩中起きていなければならない」と言う風習は現在ではあまり行われていません。
喪主やご家族は翌日の葬儀もあるので、くれぐれも無理をしないようにしてください。
お通夜の準備
- 自宅で行うのか、斎場で行うのかを事前に決めておきます。
- お通夜の役割分担を決めます(受付係、接待係、駐車場係)
※葬儀社が段取りすることが多いようですが、打合せは喪主が立ち会います。
お通夜の流れ
- 弔問客の受け入れ開始・受付
- 着席
- 住職が来る
- 開式
- 経を読む(読経)
- 僧侶退場
- 閉式
- 通夜ぶるまい
- 夜とぎ
12 葬儀・葬式
いよいよ葬式となります。
葬儀と言うものは「急に亡くなってしまって何も準備をする暇がなかった」という体でおこなうものです。
ですので、あまりかしこまったりせず、多少の失敗があるくらいで丁度よいと思われます。
葬儀・葬式の準備
- お供え物やお布施、心づけの確認
- 生花配列順を決める
- 弔電を確認し順番を決める
- 上記を合わせた葬儀社との打合せ
- 受付の準備(会葬礼状や香典受けなど)
※葬儀社が準備することが多いようですが、段取りには喪主も立ち会います。
葬儀・葬式の受け付け開始
- 喪主が住職へ挨拶し、接待する
- 来賓を出迎え、挨拶する
葬儀・葬式の流れ
- 受付開始(開始時刻の15~20分前まで受付
- 遺影正面から遺族・親族・参列者の並び順で着席します
- 開式
- 住職が経を読む(読経)
- 住職が焼香を済ませる
- 弔辞が奉読される
- 弔電が奉読される
- 一般参列者の焼香が開始される
- 閉式
※葬儀の目安は2時間前後です。
13 故人との別れ、出棺
- 喪主、遺族、参列者の順番で棺に生花を入れたあと合掌する
- 棺に蓋(ふた)をして、喪主。遺族が棺に釘打ちをする
- 参列者に向けて喪主が挨拶をする
- 火葬場へ同行する人は用意しておいた車(バスまたは各自家用車)に乗り、火葬場へ移動
14 「火葬許可証」を葬儀業者に渡す
葬儀業者に「火葬許可証」を渡し、火葬場で処理をしてくれます。
混合しがちですが「埋葬許可証」とは別です。
「埋葬許可証」は寺社や墓地管理者に渡すので大切に保管しておきましょう。
公営墓地の場合は市町村の役場へ届け出が必要になります。
15 火葬場にて住職の読経が始まり焼香、その後、火葬が行われる
遺体が骨になるまで火葬場の控え室で待ちます。
火葬時間は体の大きさによって異なりますが、おおよそ1時間~2時間となります。
その間、控室や共同の待合室で待つことになります。
精進料理をこのタイミングで出す場合がありますので、事前に葬儀会社と打ち合せておきましょう。
16 骨あげを行う
遺骨箱に骨を収容します。
その際、火葬場の方がどこがどこの骨にあたるか説明があります。
17 還骨法要を行う
火葬したあとに自宅や斎場に戻ってから行なう儀式です。
住職が読経したのち、 焼香します。
その後、喪主が参列者に精進料理を出すのが一般的な流れとなります。
遠方から来られる参列者の為に、初七日をこのタイミングでおこなう場合があります。
事前に葬儀会社や住職と打ち合せておきましょう。
18 精進おとし
住職を主賓として、来賓、親族を接待する儀式が「精進おとし」です。
喪主は御礼の挨拶を参列者と交わし、会食します。
会食中に引出物を配ります。
住職が帰るときに「お布施」を渡しすます。
会食が終了すると葬儀は閉式となります。
19 葬儀の片付け
喪主は受付係から会葬者名簿と香典を預かり、供物、名刺、弔電などを整理します。
会場の片づけは葬儀社が行うのが一般的です。
20 御礼
手伝ってくれた方、お寺、病院、故人の勤務先や知人などに初七日までには御礼の挨拶を済ませておきましょう。
御菓子などを持参するときもありますが、遠方の場合は電話で済ませても失礼にはなりません。
礼状や挨拶状で御礼を伝える場合もあります。
21 香典返し
亡くなった日から数えて四十九日目(まれに三十五日で行なう地域もありますが)の頃に「香典返し」行ないます。
香典返しは、香典の金額に対して半値くらいを目安にしましょう。
通常は葬儀当日に引き出物としてお返しをしますが、香典の金額が多い人には後日、別に「香典返し」としてお返しすることがあります。
22 忌明け法要
亡くなった日から数えて四十九日目(まれに三十五日で行なう地域もありますが)に、住職を自宅に呼ぶか、寺(墓)に出向くなどして「忌明け法要」を行ないます。
遺産相続について
葬儀が一段落したと思えば、今度は遺産相続の手続きをしなければいけません。
「遺産なんてほとんどないから問題ない」と考える人も多いようですが、きちんと申告、納税しなければ罰せられる可能性があります。
また、遺族が知らない遺産が出てくるケースや、実はしっかりと遺言を書いていた、なんてこともあります。
実は大きな借金があったケースも少なくないので、残った人間でどう返済していくか?も考えなくてはいけません。
このような場合に出来るだけスムーズに手続きをおこない、また遺族間で揉めずに分配するのであれば専門家に依頼するのが得策でしょう。
感情や遺産の大小に関係なく、正当な対応をおこなってくれるのでトラブルなく相続を終わらせることができます。
遺産相続は必ずしも喪主がやらなければいけない、と言うことではありませんが、基本的に取りまとめ役になる可能性が高いでしょう。
ある程度の知識を持っておいて損はありません。
葬儀の喪主がやる事 まとめ
今回は、自分が喪主になったとき「やるべきこと」についてポイントをご紹介しました。いかがですか?
単に葬儀と言っても、意外とやるべきことが多いですよね。
実際は葬儀で一段落ついた後に「保険金の受け取り処理」や「資産の名義変更」、「税金の申告」など処理もあります。
漏れがないように注意して申告しましょう。
いざ、自分が喪主になった場合を想定して、手続きや処理について少しずつでも今の段階から把握しておくことをおすすめいたします。
スムーズに葬儀や葬儀後の処理を終わらせることも、故人を安らかに見送るための大切な心遣いと言えるのではないでしょうか。
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