葬儀の日程・スケジュールの決め方

葬儀の日程決め方
身内に不幸があった場合には、葬儀社を決めて打ち合わせを行います。
葬儀社との打ち合わせで、まず一番始めに決めなければならないことが「いつ」「どこで」葬儀を行うかです。

もちろん日程を決めるためには、葬儀の形式なども決めておかなければなりません。
ですが、「いつ」「どこで」が決まらないことには、訃報の連絡を流すこともできませんし、見積もりもできません。

ここでは、葬儀の日程の決め方をご説明していきます。

一般的な葬儀の日程・スケジュール

一般的な葬儀は、臨終の翌日に通夜、2日後に葬儀というスケジュールになります。
もしくは少し余裕を見て、1日ずらして2日後に通夜、3日後に葬儀を行います。

後者の方は、時間的な余裕がうまれ、次のようなメリットがあります。


  • ご遺体をご自宅に安置した場合、故人様とゆっくり最期の時間を過ごすことができる。
  • 時間に余裕ができることで、葬儀の準備や打ち合わせを落ち着いてすることができる。
  • 参列してほしい人たちにも慌てさせなくて済む。

ただし、葬儀への日数が1日延びることで費用が加算される部分はありますが、葬儀をよりよくするために、喪主や遺族の都合さえあえば、1日空けて通夜に臨むのがおすすめです。

いずれにせよ、ご逝去からの3日間、あるいは4日間を葬儀に用いることが一般的となります。

葬儀の日程が決まる要素

火葬のみを行う直葬であれば、葬儀社と親族、火葬場の予約程度ですみますが、一般の葬儀ではそうはいきません。
以下のように各方面の都合や状況を調整する必要があります。

遺族の希望

まずは遺族としてどういう日程を希望するかを葬儀社に相談します。
「仕事などで忙しいから」「◯曜日はどうしても外せない予定があるから」などの理由で早くする人もいます。

葬儀形式

葬儀の形式にもさまざまなものがあるために、それによって日程の決め方も変わってきます。
直葬(火葬式)の場合は、遺体が引き渡された当日、あるいは翌日に火葬することが多い傾向にあります。
病院や警察の施設からそのまま火葬場に搬送し、保管室に一日預かってもらい、翌日火葬、というケースは年々増えているそうです。

ただし、気をつけなければならないのは、死亡から24時間以内は火葬できません。
そのため、引き渡し当日の火葬は、できるケースとできないケースがあります。

また、一日葬であれば翌日に、家族葬や一般葬などであれば3~4日ほどかかるのが一般的です。
大規模な葬儀や社葬を行う場合は日をもっと空けることもあります。
訃報が充分に行き渡るためであり、式場設営のための打ち合わせや準備に時間がかかるためです。

僧侶・宗教者の予定

導師として、儀式を先導するのは僧侶をはじめとする宗教者です。
ですから、こちら主導で話をどんどん進めるのではなく、導師となる方(仏式であればお寺の住職)にも伺いを立てましょう。

もしも寺院が菩提寺の場合は必ず先に連絡して、菩提寺の都合を尊重しましょう、
もしも寺院との付き合いがなく、葬儀社から紹介してもらうのであれば、遺族の希望の日程で来てもらえる寺院を紹介してもらえます。

斎場・火葬場の空き

斎場と火葬場の空き状況も重要です。
斎場もどこでもいいというものではありません。
家族葬なのに大きな式場は不要ですし、反対に大人数が来られる場合はそれなりの広さと設備を擁した式場でなければなりません。
「火葬場併設の式場がいい」「自宅から近いあの式場がいい」「参列者の人たちが来やすい式場がいい」など、喪主や遺族の希望もあります。

また、火葬場の場合は、郊外や地方であればまだいいのですが、都心の火葬場は常にフル稼働ということも日常茶飯事で、11時〜13時までの火葬枠からどんどん埋まってしまいます。

朝早い時間帯だと遺族が大変ですし、昼遅くなると、その日にお通夜を控える次の葬家に迷惑がかかるために、式場側からも何時までに出棺しなければならないと決めているところもあるほどです。

こうした状況から、葬儀の日そのものを延ばすケースもあります。

葬儀をやむなく延期する場合の対策と注意点

葬儀は、必ずしも予定通りに行えるものではありません。
場合によっては、延期せざるを得ない場合もあります。

葬儀をやむなく延期する場合には、どんな対策を行うか、どんなことに気を付けなければならないかをまとめました。

身内だけで葬儀をした後、本葬やお別れ会をする

葬儀を延長すると遺体の保全に費用がかかってしまいます。
これを回避するためには、家族向けの葬儀(密葬)後に本葬やお別れの会を行います。
先に火葬までを行うことで、遺体を長期保存する必要がなくなります。

ただし、通夜・葬儀で故人の顔が見れないデメリットもあります。

菩提寺が遠方にある場合

現代では、長男であっても実家を継ぐ人は少なくなっています。
したがって、喪主が必ずしも実家もしくは、近隣に住んでいないことも多々あります。
そうなると困るのが、菩提寺です。

菩提寺が遠方にあっても、すぐに別の寺院に連絡してはいけません。
まずは菩提寺に葬儀を執り行いたい旨をお伝えしましょう。
その上で考えられるケースは次の内のいずれかです。


  1. 菩提寺が式場まで駆けつけて葬儀を執り行ってくれる。
  2. 菩提寺が駆けつけることができないために、近隣の同じ宗派の寺院に代理してもらう。
  3. 菩提寺が戒名を授け、葬儀のお勤めを頂く寺院を葬儀社に紹介してもらう。

菩提寺が駆けつけてくれる場合は、その距離分の交通費を「お車代」として用意します。
また、ホテルなどの宿泊施設の手配をする必要があります。

葬儀までの遺体の保存

事情により葬儀が長期間できない場合があります。
例えば、年末年始をはさむ場合などです。

年末年始などをはさむと一週間以上葬儀や火葬を行えない場合があります。
火葬場がやっていなかったり、松の内(関東では1/7、関西では1/15)の間には、葬儀をしたくないという人が多いためです。

この場合、通常であれば遺体の保存は、ドライアイスで行います。
1日あたり5,000円程度の費用がかかります。
それでも日が経ってしまうと顔の色が変わってしまいます。

顔の色が変わるのが嫌な場合には、20万円前後の費用はかかりますがエンバーミングという方法があります。
エンバーミングであれば、ドライアイスがない状態で10~20日保全可能になります。




納骨の時期と準備・手配について

納骨
葬儀が終わり、しばらくすると納骨を行います。
特に納骨する時期に決まりはありませんが、前もって準備しておく必要があります。

納骨をする時期

葬儀を終えると、遺骨を自宅に安置しておきますが、いつかは埋葬しなくてはなりません。
ずっと家の中に置いておくわけにはいかないのです。
法律で決められているわけではありませんが、人間の情念がそうさせるのでしょう。

また、埋葬をすることで、人は故人の死を受け入れて、前を向いて生きていけます。埋葬は、1つの区切りでもあるのです。

お墓がある場合 一般的には四十九日法要に合わせて行う

すでにお墓がある場合、四十九日法要にあわせて埋葬するのが一般的だとされています。
四十九日法要は、死者がホトケになる法要、家族にとっても忌が明けるとても大切な法要です。

仮位牌の中の性根を本位牌に移し、それを安置する仏壇を用意します。
このようなタイミングで、もしもすでにお墓があるのなら、遺骨もお墓の中に埋葬して差し上げましょう。

葬儀当日や、一周忌、三回忌など、タイミングはさまざま

とはいえ、納骨のタイミングは実にさまざまです。
寺院の考え方や地域性によっては、葬儀当日にお墓に埋葬することもあります。
また、喪主や遺族の想いとして、少しでも長く遺骨を手元に置いておきたいと考える人もいます。

埋葬の時期は法律や教義で縛られるものではありません。
そのときの事情に合わせて対応すればよいでしょう。

お墓がない場合

家にまだお墓がない場合は、まずはお墓を建立しなければなりません。
四十九日法要までにお墓を建てることは可能ですが、かなりタイトなスケジュールを強いられます。

墓地を取得していない場合は墓地選びからしなければなりません。
ですが、急ぐことなく、一周忌や三回忌などの区切りの法要の際に納骨できるようにすれば問題ありません。

納骨の方法

お墓への納骨

お墓への納骨は水鉢と呼ばれる石を動かさなければなりません。
水鉢を動かすと台石に穴が開いていて、そこから遺骨を埋葬します。

また、お墓の形状は地域によって大きく異なり、土中への埋葬だけでなく、納骨室への埋蔵のケースもあります(扉を開けると棚状の保管室になっていて、骨壺ごと安置しておく)。

遺骨は骨壺のまま納めるケースと、骨壺から遺骨を出して、土に還すケースがあります。

土に還す場合は、遺骨を曝の袋に入れ直して、土中に埋葬します。
いずれにせよ、石を動かすなど不慣れで危険な作業が伴うので、事前に石材店に連絡しておきましょう。

納骨堂

個別のお墓にではなく、集合墓である納骨堂に埋葬する際は、運営者である寺院や霊園にあらかじめ連絡しておきましょう。

納骨堂にも個別納骨と他の方と同じ場所に納骨する合祀(ごうし)とがあり、埋葬施設も野外であったり屋内であったり、さまざまです。

また、寺院などによって進め方も異なります。

お墓の代わりに納骨堂を選ぶメリット

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納骨堂の選び方

2018.11.20

散骨

散骨と言っても次のように様々な方法があります。


  • 自身の私有地に散骨
  • 海洋散骨
  • 樹木葬散骨
  • 空葬・宇宙葬

散骨と聞いて、一番はじめにイメージするのは海洋散骨ではないでしょうか。
海洋散骨には散骨代行と合同散骨とチャーター散骨とがあります。


  • 散骨代行
  • 業者に海への散骨を委託します。

  • 合同散骨
  • 複数人で同じ船に乗り込んで散骨します。

  • チャーター散骨
  • 船をチャーターして他の家族と一緒にすることなく自分たちだけで散骨する方法です。


その他、寺院や霊園などの樹木葬(樹木を墓標とした墓)も広い意味では散骨に含まれます。
散骨は法的にグレーな部分があるだけでなく、白骨を散骨としてそのあたりに撒いてしまうと、死体遺棄の扱いになってしまいます。

遺骨は必ず粉骨にして、他の方の迷惑にならない方法であるかどうかを確認することが大切です。

関連記事:自然葬(海洋葬、樹木葬)

納骨式の日取り、準備

納骨式の日程は、寺院と相談して調整します。

納骨に日に決まりはありませんが、なんでもない日に設定することに通常、納骨は、四十九日や百か日、一周忌、三回忌などの区切りとなる法要と同じ日に執り行われます。
または、お盆やお彼岸などの仏事行事に合わせて行うこともあります。

もしも、一周忌などの忌日が平日だった場合は、親戚などの参列者が集まりやすい、直前の土日や祝日を法要の日にします。

1.書類・許可証の確認

遺骨をお墓に埋葬するには「埋火葬許可証」を管理者に提出しなければなりません。
管理者とは、寺院であれば住職、霊園であれば霊園の管理事務所です。
火葬済みの印がついているものでなければなりません。

その他必要な書類があるならば、それぞれ寺院や霊園に問い合わせてみましょう。

2.寺院などへの確認

回忌法要と同じ日に納骨法要をするのであれば、法要終えたあとの納骨という流れが一般的です。

法要が何時に始まりどれくらいの時間を要するのか、その後の納骨もどれくらいの時間を要するのかを、予め確認しておきましょう。

3.文字彫刻・石材店の手配

納骨法要の日までには、お墓に故人の戒名などを彫刻します。
2週間から1か月くらいを要しますので早めに石材店に連絡しておきましょう。

また、納骨当日も水鉢などの石を動かす必要があるので、必要であれば手配しておきましょう。

石材店は、寺院や霊園で指定業者がある場合、そこにお願いするので、まずは住職や管理事務所に問い合わせましょう。
指定業者がない場合は、自身で石材店に連絡しましょう。

4.料理の手配

法要のあとは会食の席を設けます。
寺院や自宅に会席料理を運んでもらうケースと、料理店を予約して席を設けるケースとがあります。

寺院も同席してもらうのがよいのですが、忙しされていたりするので、最近は御膳料を包んでお渡しすることが多いようです
お布施と一緒にお渡しすればよいでしょう。

5.身内への連絡

納骨法要への参列は、ほとんどの場合が近しい親族です。
堅苦しい連絡方法ではなく、電話で一方を入れて、必要であれば日程や場所などをメールやLINEなどで文字情報として伝える程度でよいでしょう。

もしも形式的にされたいのであれば、招待状をお送りし、参列の可否を示すことができる返信用の書状をつけておけばよいでしょう。




出棺の流れ

出棺
出棺とは、葬儀告別式を終えて、火葬場へ出発するまでのことです。
生前のお姿だった故人様は、火葬場で荼毘に付されることで遺骨となってしまいます。
最期の姿と向き合うことのできる大切な時間なのです。

ここでは、出棺の流れについて紹介しています。

出棺までの流れ

1.お別れの儀

よくある流れとして葬儀は、宗教的儀礼としての葬儀と、社会的儀礼としての告別式に分けられます。

はじめに、寺院などの宗教者を招いて葬儀を執り行い、その次に、家族や親族や会葬者が故人様との最後の別れをするのが告別式です。これをお別れの儀と呼びます。

寺院が退場し、葬儀が終わると、式場内の会葬者は一旦席を立ち、葬儀社のスタッフたちがお別れの儀の準備に取り掛かります。

椅子を撤去し、祭壇前に安置された棺は式場中央に移され、供花の花を切り取り、棺のふたが開けられます。

会場に集まった全員で、棺の中を花いっぱいにして差しあげるのです。
お盆に盛られたお花を手に取って、1人ずつ、棺の中に納めます。

この時に、一緒に入れてあげたい副葬品がある場合は、一緒に入れてあげましょう。

2.釘打ちの儀

棺の中を花いっぱいにしてあげたあとは、家族や親族が中心となって、棺にふたをします。
最近ではあまり見なくなりましたが、棺のふたにくぎを打つという風習がありました。
棺のふたの隅を数カ所、家族や親族が石でくぎを打つのです。

どうしてこのような風習が行われていたのかは定かではありませんが、1つには死者の甦りに対する畏れからというのが考えられます。

また、昔は人の手で棺を担いで、墓地まで葬列を組みました。
葬列や埋葬の最中に棺のふたがとれないように釘を打つ、その名残かもしれません。

もう1つには、遺族たちが故人の死を受け入れるためではないかと考えます。
釘を打って棺にふたをするというのは、たしかに辛く残酷な行為かもしれませんが、死というひっくり返すことのできない事実を正面から受け止めるために、釘打ちを儀式化したのかもしれません。

3.出棺

棺は、男性数名で霊柩車まで運ばれます。
位牌や遺影が棺を先導することもあれば、位牌や遺影が棺のあとに続くこともあり、このあたりは地域差があります。

出棺の挨拶

出棺の前後に喪主の挨拶を執り行います。
火葬場に同行するのは遺族や親族や近しい人たちだけで、多くの一般会葬者は、式場で出棺を見送ります。

ですから、ここでの挨拶は喪主から参列いただいた会葬者に向けての挨拶になります。

あいさつのタイミングは、主に2つあります。
1つはお別れの儀が終わり、柩のふたを閉じて時。全員が柩を囲んでいるところであいさつします。
もう1つは霊柩車に柩を載せ終わったあとです。

これらに決まりはなく、会葬者の規模、式場内の導線、天候などによって決められます。

また、出棺の挨拶は必ずしも喪主がしなければならないとは限りません。
喪主が高齢であったり、体調を崩していたり、うまく挨拶ができる状態にない時は、喪主になり代わった遺族代表として挨拶をしても構いません。

火葬場へ移動

火葬場併設の斎場であれば別ですが、通常、柩は霊柩車に載せられて火葬場まで運ばれます。

霊柩車には1名だけ同乗でき、喪主や配偶者に当たる方が乗るケースが多いようです。その際、位牌を手に持ちます。

そのほかの出棺車両には以下のようなものがあります。


  • マイクロバス
  • 18人乗りや24人乗りのマイクロバスを手配して、火葬場と式場を往復します。
    見積もり時に葬儀社に依頼すれば手配してくれます。

  • 自家用車
  • 自家用車を連ねて火葬場まで向かいます。
    火葬場の駐車台数などによっては出棺台数の制限があることもあります。

    また、複数台が霊柩車のうしろを追って走るので、途中途切れてはぐれることがないよう、事前に地図やカーナビなどで火葬場の場所を確認しておきましょう。

  • ハイヤー
  • ハイヤーは寺院や葬儀委員長など丁重に扱うべき方のために手配します。
    必ず手配しなければならないものではありません。

  • タクシー
  • 場合によってはタクシーを手配することがあります。
    事前に葬儀社のスタッフに配車をお願いしておきましょう。


副葬品について

副葬品とは、柩の中に納めてもよい物のことです。
故人が愛用していたものや、遺族が大切にしたもの、折り鶴やお手紙など、さまざまな想いを副葬品に託します。

棺に納めてはいけないもの

むかしは土葬でしたから、さまざまな想いを副葬品に託して土中に埋葬しました。
三途の川の渡し賃である六文銭という硬貨も、もっと大むかしで言うならば陶器でできた土偶も、副葬品です。

しかし、現代の日本は99.9%という割合で火葬で遺体を処理します。
そのため、副葬品も原則可燃のものに限られています。

公害や故障の原因だけでなく、遺骨を傷つけるおそれもあります。
棺に納めてはいけないものをまとました。


  • 公害の原因になるもの
  • ビニール素材、毛皮素材、発泡スチロール、プラスチック製品、ゴム製品、CD,ゴルフ用品など

  • 不燃物
  • 金属、陶器、カン、ビン、ガラス製品

  • 燃えにくいもの
  • 大きいぬいぐるみ、スイカやメロン、布団類、辞典などのぶ厚い書籍

  • 爆発の恐れがあるもの
  • ペースメーカー、ライター、スプレー缶など
    ※故人様がペースメーカーを取り付けていた場合、必ず葬儀社スタッフか火葬場職員に伝えましょう。

  • 火葬炉の呼称の恐れがあるもの
  • カーボン製品(ゴルフクラブ、釣り竿、テニスラケットなど)


火葬場に持っていくもの

火葬場には位牌と遺影写真を持って行きます。
位牌は喪主が手に持ち、霊柩車に載せられた棺と一緒に同乗します。
遺影は、次に関係の近い人が手に持ちます。

その他、火葬場での支払いなどが生じる場合は、現金を持参します。
火葬許可証は、ほとんどの場合、葬儀社が火葬場まで運んでくれますので遺族の方で窓口に提出する必要はないでしょう。

また、火葬後再び斎場に戻る場合は構いませんが、そうでない場合は荷物のとりまとめなどを事前に確認しておきましょう。




死亡通知(死亡報告)

死亡通知・死亡報告
臨終後、親戚や知り合いなどに身内の不幸を連絡します。

遠方の人や特にお世話になった人の場合には、電話で伝えます。
それ以外の人には、死亡通知とよばれる書状を作成して、送付することになります。

ここでは、死亡通知に関するマナーや書き方について紹介しています。

死亡通知について

死亡通知とは、身内で起きた不幸を知人や関係者などに知らせることです。
訃報とも呼びます。
この死亡通知には、主に2つのパターンがあります。

1.不幸を知らせ、葬儀日程を知らせる

1つは葬儀日程を知らせるためのものです。
不幸をお伝えした上で、葬儀日程をお知らせし、参列を求める意味合いがあります。
結婚式などの招待状とは異なります。

葬儀では、死亡から葬儀までの日程があまりにもタイトなため、参列の可否を返信する時間もありません。
喪主から一方的に死亡通知を差し出すのであり、参列をするしないは参列者の自由です。

2.不幸を知らせ、葬儀を終えたことを知らせる

もう1つは、葬儀を終えたことをあとから知らせるためのものです。
不幸をお伝えした上で、もうすでに葬儀を滞りなく終えたことを知らせます。
葬儀の参列を促すまででない間柄の人には、事後報告で死亡を通知することもあります。

また、最近は家族葬が主流になっているために、葬儀を終えた後の死亡通知が大変増えています。

死亡通知のマナーと方法

先述した通り、死亡通知には2つのパターンがあり、1つは葬儀日程や場所を知らせるパターン。

2つ目は葬儀が終えたことを知らせるパターン。
ここには葬儀に対しての、あるいは差し出す相手に対しての喪主の意志が表れます。

葬儀前に通知を出して葬儀の日程や場所を伝えるということは、参列してほしい、という喪主の意志を見ることができます。

また逆に、葬儀後に通知を出すというところに、参列はしないでほしい、という喪主の意志が見え隠れします。

葬儀は喪主が取り仕切るので、どこまでの人に死亡通知をするかしないかは構いません。
ですが、死亡通知状の文面はあくまでも相手を気遣うものにしましょう。

死亡通知の方法

1.電話やメール、LINEを利用する

葬儀前に死亡通知をするには、とにかく時間がありません。
明日や明後日に執り行う通夜や葬儀の連絡をしなければならないからです。

自身の知人など距離が近い人たちには電話やメール、LINEで連絡を行いましょう。

2.ファックスを利用する

自治会や勤務先など、ある程度体裁を整えて改まった方がいい場面では、A4サイズの紙面に内容をまとめて、ファックスするのがいいでしょう。
もちろん手渡しでも構いません。

その死亡通知状がそのまま掲示板に張り出して知らせることもできますし、文字で情報を伝えるために間違いがありません。

3.新聞への死亡広告

新聞の社会欄や地域欄の下の方で、死亡広告をご覧になったことはありませんか?
社葬クラスの大きな葬儀になった場合は、喪主や施主が費用を負担してでも、死亡通知を広告として出します。

広告の手配は、広告代理店に依頼することになりますが、多くの場合は葬儀社に相談することで代理店の手配をしてくれます。

広告代理店への依頼は不慣れでしょうし、葬儀日程などの書くべき情報に間違いがあってはいけないので、葬儀社に依頼することをおすすめします。

4.はがきや手紙などの郵送

葬儀前の死亡通知は、一刻も早く葬儀日程をお知らせするという点から、メールやLINE、ファックスなどが用いられますが、葬儀後であれば少し重みのあるお知らせの方法がよいでしょう。

よほど気心が知れた相手でなければ、メールやFAXは軽すぎます。
はがきや手紙などにしたためて郵送で送ることをおすすめします。
ご自身の自筆でも構いませんし、通知状を作成して印刷するのもいいでしょう。

また、印刷や送付まで葬儀社が代行してくれるところもあります。
葬儀社選びに余裕がある場合には代行してくれる葬儀社を選んでみましょう。

死亡通知の書き方

死亡を通知するためには以下の情報をまとめなければなりません。

  • 故人との続柄
  • 故人の生前の氏名
  • 死因
  • 死亡した日時
  • 葬儀日程と場所(※葬儀前の死亡通知の場合)
  • 差出日
  • 差出人の住所
  • 喪主の氏名

死亡通知の例文

FAXの場合(葬儀前の死亡通知)

葬儀前の死亡通知は、死亡の事実、葬儀日程についてなどを、簡潔に、形式通りの方法が望ましいでしょう。

父 鈴木太郎 儀 昨年来より病気療養中ではございましたが、薬石効なく、
平成○○年10月23日 永眠いたしました。
ここに生前のご厚誼に深謝し、謹んでご通知申し上げます。
なお、通夜・葬儀につきましては、仏式において、先の通り執り行います。

故 鈴木太郎 儀 通夜・葬儀告別式

日時    通夜式   平成○○年10月25日(月) 午後6時より

      葬儀告別式 平成○○年10月26日(火) 午前11時より

式場    名称    ◇◇◇会館 

      住所    東京都◆◆区◆◆町1丁目10

      電話番号  03-0000-0000

喪主    鈴木一太郎(故人の長男)

儀式形態  仏式 

問合せ先  〇〇葬儀社 03-0000-0000

挨拶状の場合(葬儀後の死亡通知)

葬儀後の死亡通知の場合は、丁寧な文面を用いながら死亡の事実をお知らせします。
また、死亡をすぐに知らせなかったことにより、葬儀の参列を間接的に断ったわけですから、そのことに対してのお詫びの文章も差し挟みましょう。

父 鈴木太郎儀 昨年来より病気療養中ではございましたが
薬石効なく、去る○月○日に永眠いたしました
ここに謹んでご通知申し上げます
葬儀におきましては 故人の生前の意志により
誠に勝手ながら 近親者のみにて執り行いました
本来ならば早速申し上げるべき処でございましたが
ご通知を差し上げずに遅れましたご無礼を 何卒お赦しください
尚 お供えや御香典につきましてはご辞退させて
いただきたくお願い申し上げます
生前中賜りましたご厚誼に心より御礼申し上げ
失礼ながら 謹んで右ご通知申し上げます

平成二十九年○月○日
〒100-0000
東京都◆◆区◆◆町1丁目50
喪主 鈴木一太郎




火葬・収骨(骨上げ・拾骨)の流れ

火葬・拾骨流れ
葬儀式場で葬儀を終えると、火葬場に向けて出棺します。
火葬場には、その地域内のさまざまな場所で葬儀をされた方が集まって、火葬をします。
火葬炉も横に5つや6つも並んでいるところもあり、込み合う時には複数の葬家で混雑することもあります。

火葬場は公共施設ですので、決して他の人々の迷惑にならないようにして、しっかりと故人の最後を見届けたいものです。

ここでは火葬場での一般的な流れをご紹介いたします。

火葬から収骨までの流れ

1.火葬場到着

葬儀場を出棺した車は、故人を乗せたれいきゅうしゃを先頭にして火葬場に向かいます。

火葬場の敷地内に出棺車両が到着すると、霊柩車は火葬棟に横付けし、すぐにひつぎをおろすことができるようにします。
そのうしろをハイヤーやマイクロバスがついてきます。

火葬場に到着するとすぐに火葬執行へと進みますので、親族の人たちも葬儀社や火葬場職員に指示に従って、速やかに移動しましょう。

また、自家用車を使用した場合には駐車場に車を停めてから火葬棟へと入らなければなりません。
葬儀場から火葬場への移動の際には、なるべく遅れをとらないようにします。
また、駐車したら速やかに火葬棟へと向かいましょう。

2.火葬許可証の提出

火葬許可証は役所に死亡届を提出することでいただく書類です。
これがないと火葬ができません。
火葬許可証の提出は葬儀社でしてもらえるので代行してもらいましょう。

火葬許可証に火葬済みの印を押してもらうことで遺骨を埋葬できるようになります。
大切な書類なので必ず遺骨とセットにして保管しておきましょう。

3.最後のお別れ

火葬場に到着しますと、いきなり火葬をするのではなく、今一度お別れをする時間を設けてもらいます。
お別れは、告別室と呼ばれる別室でお別れをします。
柩の蓋をあけ、故人の表情を拝み、肌に触れることができ、最後のお別れをします。

また、この告別室で寺院に読経をしてもらい、焼香することもあります。

焼香のセットは通常、火葬場に常設してありますが、宗派が神道の場合は玉串奉奠、キリスト教では献花をしますので、葬儀社に用意しておいてもらいましょう。

4.火葬執行

最後のお別れが済みますと、柩はいよいよ火葬炉の中に納められます。
参列者は棺が火葬炉に入るところを見届けます。

火葬場によっては、告別室と火葬炉が離れていて、喪主だけが火葬炉の前まで一緒に進み出るシステムもあります。
この場合、火葬の着火ボタンを喪主が押し、収骨(骨上げ・拾骨)までの間、火葬炉のカギも喪主が預かります。

最後のお別れをする告別室がない火葬場では、柩が火葬炉に入ったあとに、寺院に読経をしてもらい、焼香(宗教によっては献花や玉串奉奠など)をします。

火葬時間について

火葬時間は火葬場によって異なります。
一般的には、次の通りです。


  • 首都圏:40〜50分(首都圏は扱う火葬件数が多いため)
  • 郊外:1時間から1時間半程度

火葬間は、遺族や親族は控え室で収骨を待ちます。

5.骨上げ・収骨

火葬が済み、収骨の準備が整うと、館内アナウンスや職員からの声掛けなどが入ります。
まずは火葬炉から故人が出てくる所を見届けます。
柩はすっかりと焼け消えていて、故人も白骨となります。

収骨は、火葬炉前で行われるケースと収骨室という別室で行うケースがあります。
拾骨は二人一組となって1つのお骨を箸で拾い上げます。

一組が拾骨を終えると次の組に箸を渡し、順番に行うことで全員で遺骨を骨壺に納めます。これを「はしわたし」と呼び、彼岸への橋渡しという意味があります。

6.御骨箸

ちなみに、収骨の際に用いられる箸は「御骨箸」と呼ばれる白木と竹の組み合わせでできた箸を用います。
一本は竹、一本は白木。
とてもおかしな組み合わせですが、葬儀ではさまざまな場で日常的に使用するものをあえて逆さにあるいは特異に使用します。

たとえば、逆さ水(水に熱湯を足してお湯を作る)や逆さ屏風(枕元に立てる屏風をあえて天地を逆にする)や逆さ着物(着物を上下逆さにしてかけること)。

死に装束の襟合わせは左前にしますし、このように、あえて日常とは異なるものを用いることで、葬儀が特別な期間であること表しています。

全部収骨と部分収骨

遺骨をすべて骨壺に納める地域(全部拾骨)と一部のみを納める地域(部分拾骨)とがあり、それによって骨壺の大きさも異なります。


  • 全部収骨が多い地域:東北、関東地方
  • 部分収骨が多い地域:大阪、北陸、近畿、中国地方

また、浄土真宗の盛んな地域では、中世から近世にかけて、火葬骨を放置して散骨する無墓制を採用する地域が多く見られます。

ちなみに、近畿地方では、遺骨の一部をお墓に、一部と各宗派の本山寺院に分骨する慣習があり、2つの骨壺に分けて収骨することもあります。

火葬中の過ごし方

火葬時間は首都圏などの早いところで40〜50分。
一般的には1時間から1時間半になります。

収骨までの待ち時間の過ごし方は、次のように地域によって異なります。


  • 火葬場の休憩室などで待つ
  • 火葬時間の早い火葬場では、休憩室で飲み物や軽食を振る舞います。
    収骨後に葬儀場などに戻って初七日法要をし、その後、精進落としを食べるので、ここでは簡単なものだけを振る舞えばよいでしょう。

  • 火葬場の休憩室などで精進落とし(昼食の折詰)を食べる
  • 火葬時間を1~2時間を要する地域では、この待ち時間に精進落としを食べることもあります。
    折り詰め弁当を火葬場の控え室に運びこんでそこで食べます。

  • 一旦帰宅して、時間に合わせて再び火葬場に集合する
  • 地方部などでは、いったん帰宅して、収骨時間に合わせて再び火葬場に集まるというところもあります。


心付けについて

公共施設の職員への心付けは禁止されています。
民営の火葬場では未だに心付けの風習が残っています。

また、霊柩車やマイクロバスの運転手などに渡すこともあります。
渡し方はさまざまで、葬儀社のスタッフに一任するケース、喪主が1つずつ手渡しにするケースなどがあります。

金額や方法などは葬儀社に相談して決めましょう。

骨上げ・収骨のマナー

基本的には葬儀社や職員の指示に従って動けば問題ありません。

昨日まで当たり前のようにあった身体が白骨になるのですから、参列者はさまざまな感情を胸に抱くことだと思われます。
中には、泣いたり、叫んだりして感情を表に出す方もおられます。
もちろんそのようなことをすることに問題はありません。

ただ、火葬場は公共施設であり、多くの方が利用される場所なので、一定の配慮を保つことができるよう、その場にいるみなさま方で努めたいものです。




通夜の流れ

通夜の流れ
葬儀は通夜と葬儀の2日に日程を分けて執り行います。

以前は、夜通し故人と寄り添うことを通夜とよび、特別な儀式を行っていませんでした。
ですが、最近では、一般会葬者の参列の場の意味合いが強く、通夜式として厳粛に執り行われます。
そのため、喪主や遺族は、通夜式への参列の準備が必要となります。

ここでは、通夜の準備から一連の流れまで順を追って紹介しています。

通夜の準備

服装や持ち物

遺族は喪服で通夜式に参列します。
故人と近い女性の方は和装が一般的ですが、洋装でも問題ありません。
疲れの出ない無理のない服装を選びましょう。
貸衣装や着付けが必要な場合、葬儀社で手配してもらえることがほとんどですので、相談してみましょう。
また、念珠は葬儀や法要では必要な法具なので、早めに用意しておきましょう。

段取りの確認

細かい準備や段取りなどは、葬儀社に任せておけば問題ありません。
ですが、どのような流れになるのかは、きちんと葬儀社に確認しておきましょう。

あいさつの準備

通夜式の中で喪主や遺族の挨拶が必要な場合、事前に文面の準備や確認をしておきましょう。

関連記事:葬儀(通夜、告別式、精進落し)のあいさつと挨拶例

通夜の流れ

通夜当日は、遺族も葬儀社も慌ただしくなります。その一連の流れをご説明いたします。

祭壇飾り・式場設営

祭壇飾りや式場設営は葬儀社の仕事です。
葬儀社の会館や公営斎場などで、常設の祭壇がある場合はそれを使用しますが、貸し斎場の場合は、葬儀社が祭壇を持ち込んで設営をします。

通夜当日に、別の葬家が葬儀を執り行っていた場合、出棺後に式場を撤収して、そのあとに通夜に向けて祭壇飾りや式場設営が行われます。

供花の配列と贈り主の確認

祭壇の飾りつけが済みますと、次に供花を並べていきます。

祭壇の両脇には、親族や関係者からいただいた供花を並べて飾るのですが、供花には贈り主の名前を記した札を挿します。
この札順は、喪主が決めることになります。
故人や喪主から関係が近い順に並べていくのが慣例です。

葬儀社と打合せしながら決めていきましょう。

礼状・返礼品の確認

参列者に配る会葬礼状や返礼品の確認もしておきましょう。
会葬礼状には、故人の名前や喪主の名前など、文字に間違いがないかを確認します。
返礼品も、指定した商品がきちんと届いているか確認しましょう。

式典中に遺族の方が会葬返礼品を配ることはできません。
葬儀社のスタッフが一般的です。
中にはお手伝いで返礼品係を設けることもあります。

弔問客の受付

弔問客が式場にやってきますと、受付にて記帳をしてもらいます。
香典を持参している場合はその場で差し出します。

受付に座るのは親族や、お手伝いの人たちです。
備品などは葬儀社で用意してくれます。
その他の段取りや具体的な方法も葬儀社に説明してもらいましょう。

通夜法要(通夜勤行)

定刻10分前には式場内に着座します。
そして、定刻に導師が式場内に入場して、通夜法要が始まります。
流れは以下のようになります。


  1. 導師入場
  2. 開式の辞
  3. 読経
  4. 喪主焼香
  5. 親族焼香
  6. 一般会葬者焼香(焼香後は自席に戻らずに通夜ぶるまいに案内する地域もあります)
  7. 読経終了(読経後に法話をいただくこともあります)
  8. 導師退場
  9. 閉式の辞

通夜ぶるまい

通夜ぶるまいとは、参列者をもてなすための会食の席です。
通夜ぶるまいでは、寿司は煮物やオードブルなどの大皿料理を囲みます。

これは、通夜にどれくらいの人が参列するか、あるいは通夜ぶるまいに列席するかという明確な数字が分からないためだと思われます。

棺守りと宿泊

まずは利用する式場が、夜間の宿泊が可能かどうかを確認します。
葬儀を迎えるまで、遺族は故人に連れ添い、夜通し線香を絶やさないように寝ずに番をするという風習があります。

ただ、最近では夜間の火の使用を禁止している所が多くなっています。
とはいえ、故人様と過ごす最後の夜。ご家族やご親族が集まって夜な夜な話し込みながら故人様を偲ぶのも、とても有意義な時間だとも思われます。

通夜ぶるまいの料理選びについて

 
通夜ぶるまいとは、先にも述べましたが、会葬者をおもてなしする食事の席です。
通夜ぶるまいの方法にも地域差があります。

関東(主に首都圏)の場合

関東では、親族だけでなく通夜に参列した全員に食事をふるまいます。
一般会葬者は焼香後、自席に戻らずに通夜ぶるまいの席へと案内されるのです。

お寿司や煮物や飲み物など、並べられたものを少しだけでも口に含んだうえで帰宅するのが供養であると考えられています。

関西や他の地域の場合

関西や他の地域では、しきたりとして一般会葬者への通夜ぶるまいはありません。
親族や親しい方のみに食事をふるまいます。

通夜ぶるまいで選ばれる料理は、寿司、煮物、オードブルなどの大皿料理が一般的です。
これは先述した通り、参列される人数が不明瞭であるために大皿料理であれば融通が利くという点。

そして、会葬者はあまり長居をしないのが礼儀とされていますから、簡単につまめる料理として、寿司などが適しているともいえます。




親族が亡くなった時の葬儀社・お寺への連絡

葬儀社、お寺への連絡
親族が亡くなった時は、悲しみや脱力感で何もする気になりません。
ですが、病院でなくなった場合にはすみやかにご遺体の搬送をしなければなりません。
その他にも、色々と手配したり、準備したりでなにかと忙しなくなります。

ここでは、親族が亡くなった際にどこへ連絡するかについて紹介しています。

まずは葬儀社へ連絡する

ご家族が亡くなると、身内の方はすみやかに遺体搬送の手配をしなければなりません。
病院であれ、警察であれ、医師による死亡確認がなされて、しかるべき手続きを終えると、遺体は遺族に引き渡されます。
清拭や死後処置などで1時間程度の手当や手続きが済むと、遺体は霊安室へ運ばれ、搬送車を待ちます。

葬儀社を決めていない場合は探す

理想は、引き渡しと同時に、葬儀社が同行していて、すみやかに遺体の搬送ができることなのですが、なかなかそうとばかりはいきません。

危篤や訃報はいきなりやってくるものなので、葬儀社の手配ができずに、まずは病院に駆けつけたという方は実にたくさんいます。

このような場合は、その場で急いで葬儀社を探さなければなりません。

搬送業者と葬儀業者は分けることができる

すでに依頼する葬儀社が決まっている場合はすみやかにその業者に連絡して、すぐに迎えに来てもらうよう手配しましょう。

葬儀社が決まっていない場合は、とりあえずどこかの葬儀社や搬送業者に、搬送だけ依頼するという方法もあります。

搬送を依頼したからといって、葬儀まで依頼しなければならないことはありません。
遺体の搬送と葬儀の施行を別の業者を分けることは何ら問題ありません。

ただし、身内の不幸の直後にこのような冷静な判断が出来る人はまれです。
また、業者側も商売ですから、なんとかして自社で葬儀の受注ができるようにしてきます。

突然の訃報で、不慣れなことで、その上葬儀までに時間がかけられないなど、喪主が置かれている状況から考えて、搬送業者にそのまま葬儀を依頼するということは実によくあるケースなのです。

葬儀社への連絡事項

葬儀社に第一報を入れる時、まずは気持ちを落ち着けて、状況を伝えましょう。

自分が誰なのか。
どこに迎えに来てほしいのか。
この2点が伝われば、あとはなんとかなります。

業者側が把握しておきたい情報としては、以下になります。

  • 電話をかけている人の名前
  • 電話をかけている人の携帯電話などの連絡先
  • 迎えに上がる施設の名称と住所
  • 搬送先の住所
  • 遺体の状況

これらをまずは伝えること。
あとは実際に会ってから打ち合わせすれば問題ありません。

搬送先は、自宅かそれとも安置施設か

搬送先、つまりご遺体を安置する場所ですが、自宅を選択する方もあれば、自宅への安置を避けたい方、できない方もいます。
このような場合には、業者や斎場が保有している安置施設を利用します。

安置施設を希望の場合は、業者側で手配しなければならないので早めに伝えておきましょう。

病院と提携している葬儀社に依頼するべきか

病院に駆けつけたはいいが、葬儀社の手配が全くできていない。
どこに依頼するか考えてもいない場合やどこに葬儀社があるかも知らない場合には、その場で葬儀社をイチから探して決めるのは、とても大変なことですし、何より時間がかかります。

また、病院側としても早く遺体を引き渡したいというのが本音です。

ですが、家族側としては、ここで連絡する葬儀社にすべてを任せるとなると、業者選びは慎重にならざるを得ません。
こうした状況では、さまざまな考えや事情が交錯してしまい、遺体の引き渡しがスムーズにいかないものです。

病院提携の葬儀社は利用しない方がいい?

このような時のために、多くの病院では提携の葬儀社があります。
病院内に常駐している葬儀社もあれば、連絡を受けて駆けつける葬儀社もあります。
遺族が葬儀社選びで困っている時には、病院が葬儀社を紹介するのです。
さて、この病院提携の葬儀社は、あまりいいイメージがありません。

  • 病院と結託している
  • マージンが発生するから高くつく

などとよく言われていますが、実際にはすべての病院がそうとは限りません。
公正な入札で出入り業者を決めている所もありますし、良心的な葬儀社もあります。

そもそも、万一葬儀社に悪評が立てば、病院のイメージも失墜します。
そのようなリスクを背負ってまでしてでも病院側は提携するでしょうか。
ですから、提携そのものが悪い、わけではないのです。

提携葬儀社に依頼すると、他社との比較検討がしづらい

むしろ、提携葬儀社に依頼すると費用が高くつくという根拠は、他の葬儀社と接する時間がない著しく減少してしまうことにあります。

とにかく遺体を搬送しなければならない、とりあえず提携の葬儀社に依頼する。
こうした喪主側の動きは受注のチャンスであり、これを葬儀社が逃さないだけです。

他社との相見積もりにならないうちに、葬儀の依頼をもらえるようにしむける。
そうなると、多少高い金額でも葬儀を請け負うことができてしまうのです。
業者は当然商売なので、自社で葬儀ができるようにと仕掛けてくるのは当然のことです。

むしろ、喪主側の情報不足が、このような悪評の原因になっているでしょう。
しかし、これは仕方ありません。

突然のことで、しかも不慣れなことで、人の死が関わっていて、時間もかけられない。
そんな状況下で冷静に業者を見極めることそのものが、誰にだって困難です。
そして、それこそが業者の付け入る隙でもあるのです。

生前に葬儀社を決めておく

可能であれば生前に葬儀社を決めておくのが一番です。
事前の打ち合わせで安置先なども伝えてあれば、連絡や、その後の搬送業務などもスムーズに進めることが可能です。

また、あらかじめ葬儀社を比較検討することで、自分たちが本当に信頼できる業者と出会うことができます。

関連記事:葬儀の事前相談

菩提寺へ連絡する

遺体の搬送の手配が済んでひと段落したら、次に菩提寺に連絡を行います。
連絡は病院から、あるいは遺体の安置が済んでからでも問題ありません。

菩提寺に不幸があったことを伝えることで、自然と葬儀日程の調整へと進みます。
その場に葬儀社を同席させておくとスムーズです。

また、寺院によっては枕経のお参りに来てもらうこともあります。

寺院との付き合いがない人、菩提寺がない人は、葬儀社に相談しましょう。
希望の宗派で寺院を紹介してくれます。




末期の水、清拭、湯灌、死化粧について

末期の水、清拭、死化粧

ご臨終の後、一連の儀式を行ってから自宅や安置所へ搬送することになります。
ここでは、ご臨終後に行う一連の儀式である、末期の水、清拭、死化粧について紹介しています。

末期の水について

末期の水(まつごのみず)は、死に水とも言われ、臨終した故人の口を水で湿らせる儀礼です。
息を引き取る際にのどの渇きを訴え、水を求めることが多いために行われてきました。
割り箸で脱脂綿を挟んだものを、濡らして末期の水とします。
脱脂綿の他に筆や、綿や、紙や、樒(しきみ)の葉を利用する場合もあります。
病院での末期の水は、割り箸に脱脂綿を挟んだものが一般的です。

昔は、末期の水は、親族が一人一人行っていました。
ですが、最近では病院で亡くなることが多いので、看護師が執り行うこともあります。

また、死の直後ではなく、自宅などに安置してから、親族一人一人が末期の水を行うように配慮する葬儀社もあります。

清拭について

清拭(せいしき)とは、死者の身体をきれいに拭き清めることです。
病院などで死亡した場合には、看護師が清拭を行います。
全身を消毒液や湯水で拭いてきれいに整えます。

清拭には宗教的な意味もありますが、公衆衛生的な役割もあります。
また、清拭の際に詰め物をして内容物が外に出ない処置も同時に行います。
これらを含めて「エンゼルケア」とも呼ばれています。

清拭はもともと家族が行ってきました。
しかし、病院での死亡が80%を超える昨今では、病院の看護師、介護施設の職員、葬儀社のスタッフで行うことがほとんどです。

湯灌について

湯灌(ゆかん)とは、納棺する前に死者の身体を湯で洗うことです。
自宅で息を引き取ることが多かった時代には、死後に湯灌をして身体を清めてから死装束を身につけました。
現代では、自宅ではなく病院などの施設で亡くなることが多いので、死亡後すぐに行われるのは清拭です。
身体をきれいに整えてから、遺体を搬送します。

湯灌はむしろ納棺前の儀式の意味合いが強く、肌の出ている部分を親族で拭いて差し上げる拭き湯灌が主流です。

死化粧について

死化粧(しにげしょう)とは、遺体をきれいに整えることです。
顔の化粧だけではなく、頭髪や爪の手入れもします。
男性の場合は髭剃りも施します。

遺体への化粧とはいえ、特別なことをするわけではありません。
薄化粧を施すだけで、故人の表情は見違えるほどにきれいになります。

なお、死化粧については、すべての医療施設、介護施設、葬儀社が死化粧をしてくれるとは限りませんし、葬儀社では有料オプションとしているところもあります。

エンゼルケアについて

エンゼルケアとは死後処置の総称です。
上記で紹介した処置とほぼ同義語になります。

しかし、エンゼルケアという言葉の中には、これまでの死後処置、つまり物理的な処置だけにはとどまらない、故人に対して、家族に対して、その尊厳を守ることへの意味合いが含まれています。

入院中、闘病をしなければならない患者は風呂に入ることも許されず、点滴やドレーンを取り付けたままというケースもよくあるでしょう。

闘病後の姿で、汚れたままの状態で遺族に身体を引き渡す、あるいは死出の旅に出なければならないことは、患者の人間としての尊厳が守られているとは言いがたいでしょう。

エンゼルケアをすることで、患者がこれまで風呂に入ることすらできなかった身体をきれいに清めてあげます。




病院から危篤の連絡が入ったらどうすればいい?

病院から危篤の知らせ
危篤は、容態が悪化して、いつ亡くなってもおかしくない状態です。
危篤になると、病院から家族に連絡が入ります。

息を引き取る瞬間を看取るためにも、すぐに病院に向かいましょう。

危篤を知らせる相手

家族や親族、または息を引き取る前にもう一度会わせておきたい人がいるならば、早めに連絡をしましょう。

3親等が目安

一般的には3親等(おじ・おば・おい・めい・ひ孫)までが目安だと言われています。
ですが、あくまでも一般論です。

3親等よりも広範な人たちを呼んでももちろん構いません。

例えば、いとこは4親等ですが、仲のよい、いとこが駆けつけてももちろん不自然ではありません。
大切なのは、相手方との関係性、あるいは相の方の事情などを察した上で、連絡をするべきか、しないべきかを判断します。

遠方であったり、高齢であったり、危篤の知らせを受けて駆けつけたいけれど駆けつけることができないとなった場合は、その方々に精神的な負担を強いることになってしまいます。
そのあたりの気配りができれば最良です。

できれば1人でも多くの人に立ち会ってほしい

とはいえ、人がひとり生き抜いてきた人生の、本当の最期の瞬間です。

本人が最期に一緒にいたいと思う人もいるでしょうし、一人でも多くの人に駆けつけてもらって、これから旅立っていかなければならない本人のせめてもの力になればいいのでは、とも考えることができます。

もしも、病室にたくさんの人が駆けつけることがあるならば、周りに迷惑にならないように配慮しましょう。

危篤の知らせを控えるべき相手

どこまでの方に知らせてどこまでの方には知らせない、この線引きは実に難しいものがあります。
目安としては、先ほども触れたように3親等が1つの基準です。
これに関しては、本人と、あるいは家族との関係性にもよるので正解はありません。
あまりに多くの方に知らせることで、家族の方の負担にもなります。
ただでさえ付き添いで疲労を強いられている状態です。

また逆に、これも先ほど触れましたが、知らせを受け取ることで先方が負担を感じるということもあるでしょう。遠方であったり、高齢であったり、仕事などで忙しかったり。

そうしたことを考慮した上で、「それでもあの人には知らせておこう」と思える人に連絡を取りましょう。

連絡をする時のマナー

連絡は電話で行うので充分です。
病院の住所や部屋番号などは、メールなどを用いて知らせるのもいいでしょう。

また、知らせの時間帯は、本来は日中、相手の迷惑にならない時がいいのでしょうが、こればかりは緊急の知らせです。
夜間でも構いません。

入院費の精算や葬儀の費用に使う現金の準備をしておく

危篤を迎えると、逝去後のことも考えて行動しなければなりません。
まとまったお金は、入院費の支払いと葬儀費用が必要となります。

いずれとも、「今すぐに!」と支払いが求められることはありません。
ですが、退院後、もしくは葬儀後1週間くらいには、支払わなければなりません。

すぐにまとまったお金が無い場合には、現金払い以外にクレジットカード払いができる葬儀社を選ぶのもいいでしょう。

まだ葬儀社が決まっていなければ小さなお葬式がおすすめです。
クレジットカード払いにも対応しているので、相談することをおすすめします。

死後、銀行口座は凍結される?

故人の財産は死亡と同時に遺産となります。
遺産は、法定相続人に分割されるべきものなので、銀行側としてはこれを守らなければなりません。

また、法定相続人は1人とは限らず、配偶者、子、孫、親、兄弟などと、複数人に渡ることがほとんどです。
その中で誰か1人だけが勝手に故人の預金を引き出すことは許されないというわけです。

口座が凍結されるのは、いつ?

銀行は、名義人の死亡を確認した段階で口座を凍結します。
一番多いケースは、家族が口座から現金を引き出しに来た時に窓口でその理由を伝える時です。

とはいえ、葬儀費用は緊急に必要となるために、預貯金の一部の引き出しには応じてくれるようです。
まずは金融機関に相談してみましょう。

また、故人が有名な方で、町の中でその訃報が知れ渡るなどのことがあれば、凍結されることもあります。
死亡届を役所に提出することで口座が凍結されるという情報があるようですが、役所と銀行間の連携はありません。

凍結前の預貯金の引き出しの注意

さきほども触れたように、遺産は遺産分割協議が終了するまでは相続人全員で共有するべきもので、誰か1人が現金を引き出すことは原則として許されません。

ですが、入院費や医療費の支払いや葬儀費用のために事前に引き出しておきたいという心理もあります。
可能であれば、相続人全員の同意をとっておくこと。

それができない場合は、病院や葬儀への支払いにかかった領収書をきちんと保管しておきましょう。

口座凍結の解除の方法

口座凍結の解除には、法定相続人全員の同意書、実印、印鑑証明などをはじめ、用意しなければならない書類がたくさんあるために、日数と手間がかかることが予想されます。

用意しなければならない書類などは、それぞれの金融機関に問い合わせましょう。




遺体安置から納棺の流れ

遺体の安置と納棺
病院で息を引き取ると、すみやかに葬儀社に連絡して、遺体の搬送の手配をします。

ですから、予め安置先を決めておく必要があります。
自宅であれば問題ありませんが、そうでない場合は、葬儀社に相談しなければなりません。

ここでは、自宅に安置する前提で紹介しています。

遺体安置の流れ

安置する部屋はあらかじめ決め、掃除しておく

自宅の中のどの部屋に安置するかはあらかじめ決めておきます。
そして、その部屋は予めきれいにしておきましょう。
故人が葬儀までお休みいただく場所であり、同時に弔問の方が見えるかもしれない場所になるためです。

また、葬儀は、ただでさえ不慣れで過密な日程の中行われます。
ざわついてしまう気持ちを少しでも落ち着けるためにも、安置する部屋がきれいに整理整頓され、その中に納まりよく故人を安置するのはとても大切なことなのです。

安置する場所はなるべく冷房のある部屋にする

故人を安置する部屋はなるべく冷房のある部屋にしましょう。
少しでも室温が低い方が、ご遺体への負担が軽減されます。

エンゼルケアとドライアイスの手当

北枕にして故人を寝かせたら、葬儀社による遺体の手当が行われます。

病院などのエンゼルケアが不十分の場合、この場で清拭や綿詰めが行われます。
もしも、家族による化粧を希望の場合は、葬儀社に申し出ましょう。

体温が残った故人に触れる最後の機会です。
というのも、このあとまもなくするとドライアイスが当てられるからです。

腐敗に伴う皮膚の変色や腐臭を防止するための大切な処置なのですが、1度ドライアイスを当てられた身体は冷たく、そして固く凍ったようになります。
化粧をしなくとも、最後の体温を感じるためにも、故人のお肌に触れてあげましょう。

なお、感染症などの恐れがある場合は、葬儀社の指示に従うことになります。

枕飾りの設置

故人の身体の手当が済むと、枕飾りを設置します。
葬儀社が用意した祭壇と具足(お参りのための道具、線香やローソクやりんなど)でお参りの祭壇とします。


  • 巻き線香
  • ローソクの火を灯し、線香を絶やさないように渦巻き状の線香を点けておきます。

  • 枕飯
  • 茶碗に山盛りの白米を供えて、箸を突き立てます。
    故人が普段使用していたものを用います。

  • 枕団子
  • 6つの団子を供えます。
    これは、仏教の六道輪廻に由来します。
    仏教では人が死んでなくなると49日間の旅に出て、審判を受けたのち、六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道)のいずれかに生まれ変わるとされていて、団子はその旅の供え物とされています。


神棚封じ

神道では死の穢れを忌み嫌うため、神棚がある家ではこれに半紙を貼って封じ、四十九日を終えるまでの間、そのままにしておきます。
礼拝などもしません。

すでにある水や米などの供え物は傷んでしまうだけなので下げて破棄して構いません。

安置場所の種類とメリット・デメリット

安置場所は自宅か、あるいは葬儀社などの安置施設のいずれかになります。
それぞれのメリットとデメリットをまとめました。

自宅安置のメリットとデメリット

自宅安置のメリット
なんといっても故人を自宅に帰してあげることができることです。
ずっと病院での入院生活、施設での入所生活を強いられていた故人にとって、自宅がどれほど安らぐ場所でしょうか。

また、家族にとっても、通夜や葬儀の日まで故人とゆっくりと過ごすことができます。
その他、弔問客を招くことができますし、寺院の枕経を招くこともできます。

自宅安置のデメリット
日常生活の空間がどうしても非日常空間になってしまうので、疲れが出てしまうことがあります。
親戚、弔問客、葬儀社が出入りする中で、故人を守ることは思いのほか披露を強います。
お線香も絶やさずに番をしようとすると、夜に眠ることもできません。

また、人の出入りがいつも以上に起こりうるので、近隣の方々の理解が必要なこともあります。

安置施設利用のメリットとデメリット

安置施設利用のメリット
遺体の管理を葬儀社に任せるので、手間や疲労が軽減されるでしょうし、何よりも安心できます。

また、自宅内は日常通りの生活空間が維持でき、ゆとりをもって通夜葬儀に臨むことができます。

安置施設利用のデメリット
面会に制限があるために、会いたい時に会うことができません。

また、他の方との共有スペースでの安置になるために、個別のお参りができません。
弔問客の対応などもできません。
利用の際は、有料となります。

納棺の儀

遺体安置後に葬儀の打ち合わせを行います。
打ち合わせの後、僧侶が到着したらご遺体の前で読経(枕経)を行うことになります。
読経が終わると、納棺の儀を行います。

納棺の儀の流れ

湯灌(ゆかん)

湯灌とは、故人の身体をきれいに清める儀式の事です。
納棺に先立つ形で行われます。

病院のエンゼルケアによって、あらかじめきれいにしてもらっているのですが、家族を囲んで、儀式として湯灌を執り行います。

湯灌は古い昔から日本各地で、さまざまな方法で行われてきました。
たらいで沐浴をさせていたり、実際の風呂桶を使用したり、家族親族みんなで遺体をきれいにしました。
最近では、簡略され拭き湯灌が一般的です。

拭き湯灌では、固くしぼった布や清浄綿で、故人の顔や手を拭いてきれいにします。
また、自宅用のバスタブを持ち込んで本格的な湯灌のサービスもあります。 

死装束(しにしょうぞく)

 
湯灌できれいにした身体に死装束を着せます。
仏教では死後に四十九日の旅に出ると考えられ、その旅の姿です。
具体的には、次のようなものを身につけます。


  • 白の帷子
  • 手甲
  • 脚絆
  • 足袋
  • 頭陀袋
  • 天冠(額に当てる三角布)
  • 頭陀袋(中に三途の川の渡し賃の六文銭を入れます)
  • 草履
  • 笠杖
  • など


浄土真宗など、教義上、死装束を着せないこともあります。 
また、神道では神職に似せた格好をさせます。

納棺

これらの準備を経て、参加者全員で、故人を棺に納めます。
棺に納まると、いよいよ故人は通夜、葬儀へと臨むことになるのです。

副葬品の注意点

副葬品とは、故人と一緒に棺の中に納める物のことです。
故人が愛用されていたもの、ご家族の想いを託すものなど、副葬品もさまざまです。

ただし、副葬品は原則可燃のものに限ります。
燃え残るもの、遺体を傷つけるもの、火葬炉を傷める原因になるものは納めることができません。
詳しくは葬儀社に相談してみましょう。