仏壇は、長く置いておくと、どうしてもホコリや汚れが目立ってきます。
掃除をしようと思っても、その正しいやり方をご存知ですか?
金箔や蝶番などの装飾や、細かな仏具などもあり、どうやって掃除をしたらよいのか、とまどう人も多いと思います。
ここでは、仏壇を掃除に適切な時期や頻度、掃除の方法や注意点、あれば便利なグッズなどをご紹介します。
掃除をすることで、仏具の不具合に気づき、劣化防止にもつながります。
また、なによりきれいな仏壇を保つことは、ご先祖様に対する感謝の意をあらわすことにもなります。
以下をすぐに、チェックしてみましょう。
仏壇掃除に向いている時期はいつ?
仏壇のお掃除には、日々のお掃除と、すべての仏具を取り出して大がかりに行う掃除の2種類があります。
その適切な時期や頻度について説明します。
日常的なお手入れ
基本的には、毎日お掃除をして、きれいにしておくことが理想です。
難しいようであれば、数日に1回、ないしは、1週間に1回くらいの頻度で行います。
毛バタキを使って、ホコリを落とす程度でかまいません。
正月・盆・彼岸などのお手入れ
1年に数回は、本格的な掃除を行います。
家族や親せきがおまいりをする正月やお盆、春秋のお彼岸のほか、先祖や故人の命日や誕生日なども、お掃除に適したタイミングです。
毎年掃除をする日を決めておくとよいでしょう。
お天気にも気をつける
仏壇は木製のものが多いことから、湿気の多い雨の日や、湿度の高い日は避けるようにします。
なるべくお天気の良い日を選んで、掃除をするようにしましょう。
仏壇掃除で必要な道具は?
仏壇掃除にあると便利な道具は、下記のようなものです。
仏具店で購入できる仏壇専用の掃除道具のほか、100均などで買える消耗品を用意します。
仏壇専用のもの
- 毛バタキ・毛払い
- 仏壇用クロス
- 仏壇用筆ハタキ
- 真鍮磨き用クリーム
- つや出しクリーム
ホコリを払うための道具。
毛先が細く柔らかいものを選びましょう。
仏壇の塗装が傷つかないような表面が柔らかいもの。
ガーゼでも代用できます。
繊細な場所用。
毛先が柔らかいものを選びます。
おりんなどを真鍮磨き用のクリームで磨くと、つやがよくなります。
仏壇掃除の仕上げにつや出しクリームを塗ると、光沢が出て、汚れが付きづらくなります。
その他用意したい道具
- 白手袋
- 使い捨ての科学雑巾
- 綿棒
- ティッシュ
など
仏壇掃除の手順・流れ
次に、具体的な仏壇掃除の手順や流れについて説明します。
仏壇は3種類
仏壇はその材質や仕様の違いで、下記の3つに大別され、それぞれに、掃除で注意すべきことがあります。
- 金仏壇
- 唐木仏壇
- 家具調仏壇
金箔や漆塗りで仕上げられた仏壇で、金箔の部分には触れることができず、漆塗りの部分だけ、ていねいに掃除をすることになります。
紫檀や黒檀などの木材でできた仏壇で、塗装仕上げなので、すべての箇所の掃除が可能です。
基本は水拭きではなく、乾拭きで掃除します。
最近増えている、リビングなどにも合うモダンなデザインの仏壇です。
ウォールナットやタモなど、家具でも用いられるさまざまな木材が使用されており、唐木仏壇同様、どの箇所も掃除ができます。
手の込んだ装飾や工法が施されている場合は、販売店に確認してから掃除をするようにしましょう。
仏壇掃除の基本的な流れ
日常の掃除は、ホコリを払う程度でかまいませんが、仏壇全体を掃除するときは、以下の手順で行います。
基本的には、家の掃除と同様に、まず置いてある仏具類をほかの場所に移し、ホコリを払って拭き掃除を行い、磨くなどの仕上げを行います。
- 合掌礼拝
- 窓を開ける
- 全体の写真を撮る
- 仏壇の中の仏具を全て出す
- 毛払いでホコリを払う
- 仏壇の中を拭き掃除する
- 仏壇の外側を掃除する
- 仏具を掃除する
- 仕上げの磨きをする
【種類別】仏壇の掃除方法
仏壇の掃除は、唐木・家具調仏壇と、金箔仏壇で掃除方法が変わります。
唐木・家具調仏壇の掃除
取り外し可能な仏具をすべてはずし、毛払いや筆払いで、細かいところのホコリを落とします。
仏壇は木材でできているため、水拭きは避け、乾いた布で乾拭きします。
最後に、クリームやつや出しワックスなどで磨くと、美しく仕上がります。
乾拭きでは落ちない汚れがある場合は、薄めた中性洗剤を布に付けしっかり絞り、仏壇を拭きます。
その後、水だけ付けた布で拭き、最後に乾拭きをします。
水分を残さないようにすることがポイントです。
金仏壇の掃除
金仏壇は、素手で触ると金箔が剥げたり、指紋が付いたりするので、白い手袋をはめて掃除します。
金箔が塗られている箇所を触らないように、慎重にホコリを落とします。
水拭きは絶対に避け、乾拭きで拭き取ります。
自分で掃除する自信がない場合は、専門業者に相談してみましょう。
位牌の掃除
位牌は、長く安置していると、ホコリや線香の油煙などで汚れてきます。
この場合は、筆払いでホコリを取るほか、柔らかい布で拭き取るようにします。
位牌も木製のものが多いため、水拭きは避けます。
特に塗位牌の場合は、金粉や金箔が使われていることが多く、掃除のときには触らないように注意しましょう。
仏具の掃除
仏具は、それぞれプラスチック製、陶器製、アルミ製など材質が異なり、高価なものであれば真鍮製のものもあります。
その素材に合わせた掃除方法がベストですが、基本的には、仏壇や位牌と同様に、乾いた布で拭き取るとよいでしょう。
硬い布は、傷をつけてしまう可能性があるため、できるだけ柔らかい布を使うようにします。
真鍮製のおりんなどは、真鍮磨きで磨きましょう。
火立ての掃除
ろうそくを立てる火立ては、溜まった蝋を、専用の蝋の除去液を使って取り除きます。
釘などで削ると、火立てを傷つけてしまう恐れがあります。
香炉の掃除
香炉に溜まった灰は、新聞紙などの上で、専用の灰ふるいを使ってこすことで、きれいになります。
香炉に戻したきれいな灰は、灰ならしを使って、表面を平らにします。
仏壇掃除をする時の便利な小技
仏壇掃除をするときに、覚えておくと便利な小技を紹介しましょう。
掃除する前に写真を撮る
仏壇の掃除後には、仏具を元に戻さなくてはなりませんが、その配置を忘れてしまう人も少なくありません。
後から迷って困らないためにも、仏壇掃除の前に、写真を撮っておくようにします。
宗派によって、ご本尊の位置や仏具の配置が決まっていることも多く、間違わないためにも、写真を撮って保存しておくようにしましょう。
白手袋をはめて掃除をする
特に金箔が施された仏壇を掃除する場合は、指紋や手脂がつかないように、白手袋をはめるようにします。
また、金仏壇でなくても、細かな細工をあしらった仏具などにさわるので、仏壇掃除のときには、常に手袋をはめることを心がけましょう。
仏壇掃除の注意点
最後に、仏壇掃除の注意点についてまとめておきます。
濡れた雑巾を使わない
仏壇は木製のものが多いので、濡れた布での水拭きは避けます。
特に金仏壇は、金箔が剥げる原因になります。
唐木仏壇も水拭きすると、水が木に染みこんで、カビが発生しやすくなります。
洗剤やアルコールスプレーも使えません。
また、乾拭きするときは、柔らかい布を使うようにしましょう。
金属製の仏具は気を付ける
金属製の仏具には、メッキ加工やフッ素加工のものも増え、磨いていいものと磨けないものが混在しています。
金属製の仏具には、天井から吊るされている灯籠や、香炉・花立・火立の五具足、おりんなどがあり、判断できない場合は、仏具店などに相談しましょう。
電気の線に注意
仏壇の中は、目立たないように電線が配線されているため、仏具などを動かすときに、うっかり引っかけて、仏具類を倒してしまう可能性もあります。
傷やケガの原因になるため、充分に注意しましょう。
さいごに
仏壇や仏具をきれいに保つには、毎日お掃除をすることが理想ですが、難しければ週に1回程度のホコリ払いと、お盆やお彼岸などの大掃除で対応するようにします。
また、どの仏壇も乾拭きが基本で、金箔をほどこした仏壇や仏具は、細心の注意が必要となります。
専用の掃除道具などをうまく使いながら、常にきれいに保つようにしましょう。
どうしても自分で掃除するのが不安であれば、掃除方法を仏具店に相談するほか、専門のクリーニングサービスの利用も検討してみましょう。
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